それぞれの正義を巧みに描く『スタンドマイヒーローズ』の文学的魅力 リリース6周年に寄せて

『スタマイ』の文学的魅力

 9月5日で6周年を迎えた『スタンドマイヒーローズ(通称:スタマイ)』。

 『スタマイ』は株式会社colyが運営する女性向けアプリゲーム。界隈の競争率が高く数々の大手タイトルが切磋琢磨するなかで、パズル×本格派シナリオを持ち味に、20代の女性を中心とし、厚い支持を集めてきた。

 麻薬取締部を舞台に、警視庁捜査一課長や大企業の社長、大学の教授から有名作家まで、さまざまな「ハイスペックイケメン」たちと力を合わせて事件解決に奔走するストーリーは、女性向けアプリゲーム市場でも異彩を放っている。今回は、そんな『スタマイ』の魅力について迫っていく。

読み物として評価を得たシナリオ

 『スタマイ』を語る上で欠かせないのはシナリオのレベルの高さだ。

『スタマイ』には原作マンガならぬ原作ゲームが存在する。同社が運営する『ドラッグ王子とマトリ姫(通称:マトリ姫)』だ。


 この作品はシナリオ買い切り型の女性向けアプリで、ゲーム機能はストーリー閲覧のみ。シナリオ一本勝負のゲームというだけあって、数々の乙女ゲームを手掛けたライターを複数人起用。純正の乙女ゲームというわけだ。

 そして、『マトリ姫』に登場するキャラクターや世界観、シナリオをパズルゲームに落とし込んだのが『スタマイ』である。この背景を知ると、シナリオが評価されていることも頷けるだろう。

 『スタマイ』のシナリオは、警察組織が抱えた未解決の麻薬事件を追うメインストーリーと、事件の捜査を通して各キャラクターとのドラマティックな恋愛を楽しめるキャラクター本編の二つが存在する。

 キャラクター本編はヒーロー毎に担当のシナリオライターが付く。これにより、ヒーローごとの特性を活かした飽きのこないストーリーが楽しめる。

 メインストーリーは、刑事ドラマ顔負けの伏線回収や、陰謀渦巻く警察組織の描写を展開し、最新話更新のたびに考察が飛び交い、SNSを賑わせた。

 書籍化を望む声が大きく、2020年にはシナリオブック『スタンドマイヒーローズ SCENARIO LOG BOOK Season I&II』が発売。また、メインストーリー完結を祝してTwitterでは「#ここがいいスタマイメインストーリー」というキャンペーンが開催され、描写の緻密さやストーリーの重厚感を称賛する声が多数寄せられた。 

#ここがいいスタマイメインストーリー

 正義の反対はもう一つの正義……それぞれが信じる正しさの先にあるものとは。正義、信条、仲間、絆、疑念、後悔。その全てが線で繋がったとき、物語は心震わすラストを迎える。

 メインストーリーは、現在開催中のゲーム内キャンペーンを活用すると通常よりお手軽に楽しむことができるので、ぜひ一度チェックしてみてほしい。

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