「スマホゲーム」と「ソシャゲ」、2つの言葉の違いから考える“世界線の分岐”
「スマホゲーム」と「ソシャゲ」。これらのゲームについて語るとき、普段どちらを使用しているだろうか。ただしゲームそのものとしての話ではなく、言葉としての話だ。言葉の使われ方から時代が見えるとよく言われるが、本稿では、この2つの言葉から見えてくるものについて、考えてみたい。
どんな言葉でもありがちだが、汎用性が高いほど、その言葉が表しているものが何か、という絞り込みが難しい。例えば「ゲーム」という言葉ひとつとっても、ゲーム以外の情報が交雑している現状だったりする(頻繁に交雑するスポーツはeスポーツの振興から、さらに親和性が高まった)。
「スマホゲーム」と「ソシャゲ」では、言葉として要素や用途がそもそも絞り込まれているため、比較的に推移を追いやすい。客観的に見ても分かりやすいので、本稿ではGoogleトレンドのグラフと合わせて迫っていく(設定は検索キーワード)。
「ググる」かSNS内での検索か 略称へ移行していく過程
まず「ソーシャルゲーム」、「スマートフォンゲーム」、「スマホゲーム」で数値を比較した。Googleトレンドがデータを公開している2004年からだが、「ソーシャルゲーム」は2009年ごろ、「スマートフォンゲーム」は2010年ごろ、「スマホゲーム」は2011年ごろから数値を伸ばしているのが見て取れる。
ただ「スマートフォンゲーム」の数値は2011年にピークを迎えてから早くも下降、同年に再び「ソーシャルゲーム」、翌2012年に「スマホゲーム」が上回る。そして「スマホゲーム」が「ソーシャルゲーム」と入れ替わり、独走体制に入るのは2014年ごろだ。
2014年ごろは、そろそろスマホの保有率がガラケー(フィーチャーフォン)を上回りそうだと言われており、その時期とも重なっているのが分かる。またスマホという略称自体は、初代iPhoneがアメリカで発売された2007年には登場していたが、略称そのものの定着とも同期しているようで興味深い。
次のグラフでは、ソシャゲの数値も加えている。最初の比較にソシャゲを入れていなかったのは、この2015年から2016年ごろの急激な伸びに注目してほしいためでもある。ソーシャルゲームと入れ替わっての急伸は、その時期にスマホの普及とも関連している出来事が反映されているからでもあるだろう。