ビッケブランカに聞く“音楽制作×ゲーム部屋”の好相性 宅録・配信を考えた部屋選び&部屋作りのコツに迫る

ビッケブランカ、“音楽×ゲーム部屋”の両立

 「プレイスタイルに合わせた空間から理想のゲーム環境をプロデュースする」をミッションに掲げる『BASE GRAPHT』の協力のもと、各分野で活躍するゲーム好き著名人のゲーム部屋を紹介する特集企画『理想の「My Gaming Room」』。

 今回話を聞いたのは、TVアニメ『ブラッククローバー』シリーズの主題歌「Black Rover」「Black Catcher」や、TVドラマ『獣になれない私たち』挿入歌の「まっしろ」、TVドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』OPテーマの「ミラージュ」など、数々のヒット曲で知られるシンガーソングライターのビッケブランカ。自他ともに認めるガジェット好きの彼が“住処”としている場所には、いったいどのようなゲーム部屋があるのだろうか。

 ガジェットに対するこだわりや、ゲームが音楽制作に与える影響など、さまざまな角度から、ビッケブランカのゲーミングライフに迫った。(結木千尋)

重視したのは遮音性。音楽制作と兼用できる「ゲーム部屋」

ビッケブランカのゲーム部屋
ビッケブランカのゲーム部屋

――現在のお住まいに引っ越してきたのは、いつごろのことですか?

ビッケブランカ(以下、ビッケ):1年前くらいです。

――お部屋探しをする上で譲れない条件はありましたか?

ビッケ:最も重視したのは、音を出しても近所迷惑にならない環境があるかですね。この家は部屋のひとつがスタジオ仕様になっていて、大きな音を出しても漏れにくい造りになっているんです。それでいて、広くて、立地も良くて、駐車場もあった。見つけたときには、すぐ「ここだ!」となりました。

――そのスタジオを音楽制作とゲームの兼用部屋にしていると伺いました。

ビッケ:はい。以前住んでいた家にも音楽制作と兼用のゲーム部屋はあったんですが、7,8畳くらいの広さしかなかったので狭いと感じていて。ここは12畳もあるので、ゆとりを持って使えています。

――過去のお部屋探しでの成功・失敗体験を踏まえて、遮音性や広さを大切にしたんですか?

ビッケ:そうですね。過去の家では、近所から「うるさい!」と苦情が出たこともあって。ヘッドホンをつけて楽曲制作をしている分には問題ないんですが、僕の場合は歌も録るので……歌声はどうやっても消せないんですよね。対策のために作業部屋に防音室を設置したりもしましたが、今度は音より暑さが大変になっちゃって。扇風機で冷気を引っ張れるようにしたりと試行錯誤したんですが、根本的な解決には至りませんでした。

 その後は、音を気にしなくてもいい一戸建てに住んだ時期もありましたが、今度は玄関先までやってくる虫が嫌で。すべての問題をクリアできる物件を探していました。

マウスパッドやPCなど、ビッケブランカこだわりのガジェットたち

実際のプレイ姿も撮影させてもらった

――音楽制作とゲームで部屋を兼用するにあたり、気にかけていることはありますか?

ビッケ:特にはありませんね。というのも、音楽制作とゲームって意外と親和性が高くて。どちらもハイスペックなPCや、フレームレートの高いモニター、反応の良いマウス・キーボードがあると有利なんですよ。僕の場合はそれ以外のことにPCを使わないので、余計な負荷もかからなくて。最高の環境が実現できています。

――こだわりの機材があれば教えてください。

ビッケ:マウスパッドにはこだわっていますね。最高の滑り具合を求めて、これまでに相当な数の製品を購入してきました。ひとつの環境で複数使うことがない物なので、何個も余ってしまっていますが、いま使っているROCCATは相当気に入っています。ようやく運命の相手にめぐり逢えました。

愛用マウスのRazer『DeathAdder V2 Pro』。下に敷かれているのが『ROCCAT』のマウスパッドだ。

――レイアウト面ではいかがでしょうか。

ビッケ:「M4NUL」という名義でゲーム配信をしているので、カメラや照明のセッティングには自分なりのこだわりがあります。画角やライトの色、明るさのバランスなどですね。自分越しに映るように小物を置いたり、顔に少し色が乗るくらいのライトの明るさを意識したり、素人なりに部屋全体のインテリアコーディネートを工夫しています。お気に入りの空間だからこそ、そういう時間も楽しいんですよね。

――ゲームは、家庭用プラットフォームではなく、PCでプレイするんですか?

ビッケ:そうですね。音楽制作と両立するにあたり、Republic of GamersのHeliosというPCケースで自作しました。充分なスペックを備えたマシンなんですが、最近はプレイへの影響を考え、配信用のPCも別で用意しています。配信用には、Razerの『Blade 14』というハイエンドノートを使っていますね。

MVにも登場したRazer『Blade 14』

 このノートPCも本当に気に入っていて、実はビッケブランカ作品のMVにもこっそり登場しています。佇まいがスタイリッシュな上に、高機能で無駄がない。Razer製品は購入すると、パッケージに「WELCOME TO THE CULT OF RAZER(Razer狂の世界へようこそ)」と書かれたカードが同梱されているんです。そういうコンセプチュアルな姿勢も大好きですね。

――ほかにお気に入りのゲーミングデバイスはありますか?

ビッケ:おなじくRazer社製のキーボードである『Huntsman』やマウス『DeathAdder』なども気に入っています。Razerのバックパック『Rogue』も愛用していますね。荷物の量にかかわらず、どこに行くにもこのカバンを使っています。

デスクトップPCは『ROG Strix』、バックパックはRazer『Rogue』。

――すっかり“Razer CULT”ですね(笑)。

ビッケ:そうですね、どこに出しても恥ずかしくない“Razer CULT”だと、自分でも思います(笑)。

ゲームは生活と音楽制作の“切り替え”として大切

――いつもどのようなタイミングでゲームをプレイしていますか?

ビッケ:帰宅直後が多いですね。仕事からの切り替えにゲームを活用しています。僕自身、お酒をあまり飲まないのですが、みなさんが帰宅して缶ビールを開けるみたいな感覚なのかもしれません。

――ゲームに没頭してしまって切り替えられないことはありませんか? というのも、僕もゲームが好きなんですが、仕事前に遊び始めてしまうとやめられないことがあって。

ビッケ:もちろんありますよ。でも仕事からの帰宅直後だと、疲れがちょうどよく邪魔してくれるんですよね。1時間くらいゲームをして「あー疲れたなー」となってから、音楽制作に移行する。これが日々のルーティンになっています。そういう意味でもゲームは大切な趣味のひとつですね。

――1日のプレイ時間はどのくらいですか?

ビッケ:普段は長くて3時間くらいだと思います。たまに仕事の忙しい期間があったりすると、「こんなに仕事を頑張ったから今日は働かなくていいよね!」とハメを外すときもありますね。先日もMV・ドラマの撮影から、地方でのフェス出演、さらに日帰りでの横浜ライブという過酷なスケジュールがあったんですが、そのときは帰宅後から6時間くらいぶっ続けでプレイしてました。

――好きなジャンルは?

ビッケ:シューター系、バトルロイヤル系が好きですね。いま日常的にプレイしているのは、『Apex Legends』『VALORANT』『League of Legends』『Fall Guys』あたりでしょうか。以前は『Fortnite』や『Escape from Tarkov』などもやっていたんですが、最近はもっぱらこの4タイトルで遊んでいます。

――そういったジャンルは昔からプレイしていたんですか?

ビッケ:いえ、PlayStation 4で『Fortnite』をプレイしたのが最初です。

――どのようなきっかけで挑戦してみようと考えたのでしょう?

ビッケ:ゲームでつながったアメリカ人の友だちに誘われたことがきっかけでした。彼とは『EA SPORTS UFC』という日本人のプレイヤーが少ない総合格闘技のゲームで知り合ったんです。彼は初対面のとき、僕にこう聞いてきました。「お前、日本人なのになんでアメリカ人ばかりのこのゲームをプレイしてるんだ?」って。

 「好きだからやっている」と答えたあと、彼におなじ質問をぶつけると、彼は「『Fortnite』がダウンタイム(メンテナンスやアップデートでプレイができない状態)だから暇つぶしにプレイしている」と答えてくれました。そのとき僕は『Fortnite』を知らなかったのでどんなゲームなのかを尋ねると、彼は「面白いからお前もやってみろ」と誘ってきたんです。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる