こっそりツイートできる『Twitterサークル』のユーザーテストに見る、Twitter新機能の成功と失敗
2015年:「Favorite」が「いいね」に変更、悲しむ声も
2015年11月3日からお気に入り機能の星アイコンがハートアイコンに変更された。アイコンの変更にともない、機能名も「お気に入り」から「いいね」に変わった。ハートアイコンを使うことで、Twitterを始めたばかりのユーザーでも機能が分かりやすいことに加えて、言語や文化などを問わず世界中で広く使われているハートマークを採用。調査の結果からも、星マークよりもハートマークを好む人が多いと判明していた。
しかし、変更当初は「お気に入り」を惜しむ人が続出しており、Google Chromeで「お気に入り」に戻すための拡張機能が生まれるほどであった。現在ではいいねが当たり前になり、若い世代にTwitter利用者が増えていってることで逆に「お気に入り」という言葉自体を知らない人がいるほどである。
2017年:Twitterの打てる半角文字数が140字から280字に拡大
11月8日、Twitterは「140字ではツイートしにくい」という批判を受け、新規ユーザー獲得と成長拡大のために、その制限を280字に拡大。Twitterの投稿は「早くて簡潔」が特徴であったが、試験を通して280字まで文字数を拡大したとしても、ほとんどのユーザーが従来の140字以内でしかツイートをしないことがわかったため、本格的な実装に移ったそうだ。
多くの人が変わらず140字以内でツイートしているなか、長いツイートを活用した人した人はフォロワーが増え、エンゲージメントの上昇やサイトの滞在時間も増えたという。
2020年:24時間で投稿が消える「フリート」機能
フリートはTwitterにてテキスト・画像・動画の形式で共有できるショートムービー機能である。共有したフリートは24時間で削除されるため、通常のツイートよりもさらに気軽に発信できる点が大きな特徴であったが、フリートをきっかけに新たにTwitterで会話に参加する人の数は、Twitter側が望んでいたようには増えていないことが分かり、2021年8月3日に終了を発表。「Instagramと同じならTwitterである必要がない」といった意見や、コメントやスタンプを送る機能もフリートにはあったが「動画を上げて知らない人からDMが届いたら怖い」などという声も散見され、フリート機能が伸びなかった理由がうかがい知れる。
2020年:ツイッター公式からついに「ツイートの投稿予約」実装
Twitterの予約投稿は2020年5月29日に実装。あらかじめ指定した時刻にセットすれば、自動的にツイートしてくれる。予約投稿は、投稿する時間に合わせてTwitterをリアルタイムで操作する必要がなくなるため、時間を決めて投稿したいときや時間のズレを回避できる。
また、思いついたまま投稿するのではなく、予約をしてから実際に投稿されるまで時間があるため、誤字脱字のチェックや、ツイートの内容が適切かどうか投稿前に確認できるなど、トラブル防止につながっている。この機能は比較的利用者も多く、企業や案件などでは今後も使われていく機能なのではないだろうか。
2021年:Twitterがサブスク化?『Titter Blue』の実装
2021年6月3日にTwitter公式はTwitter Blueは、『Titter Blue』を実装すると発表。月額定額の料金をサブスクリプション形式で支払う代わりに、「長いスレッドを読みやすいデザインに変換してくれる機能」「気に入ったツイートをフォルダで分別して管理できる機能」など様々な機能を追加。広告などが非表示になり、より快適・便利に使える、有料オプション的な新機能である。Twitter Blueが発表された当初は、「Twitterが有料化してしまい無料では使えなくなってしまうのか」と気にする声が多くみられたが、しばらくそうなる気配はなさそうだ。
2021年:音声チャットルーム「スペース」実装
一時期ブームを巻き起こした音声配信アプリ『Clubhouse(クラブハウス)』のように、グループ電話のように様々な人と交流が楽しめるという機能である。
こちらは実装から日が浅いこともあり、まだ良し悪しの判断は難しいところだが、否定的な意見としては「どれだけ仲が良い人同士で会話を楽しんでいても、話したことがないフォロワーが入ってきて気まずくなる」「スペースに誰がいるか多くの人に見られてしまうため入りづらい」といったものが挙げられる。
肯定的な意見としては「Clubhouseの勢いがなくなってきたのでこちらに移行したが、Twitterのほうがリーチが伸びやすい」「作業配信などには使いやすい」といった旨の声があった。
Twitterサークルの今後
さまざまな新機能を積極的に展開しているTwitterだが、ユーザーの声を拾えば拾うほど、つぶやいてタイムラインを見るという機能以外のものをあまり欲していないようにも感じる。
今回のTwitterサークル実装にあたっても、今後は多くの意見が挙がってくるだろう。ここ数年を見ると成功と呼べる施策があまりないのが心配だが、今回のユーザーテストを通してより良い改善が生まれることを期待したい。
(画像:Unsplashより https://unsplash.com)