『遊戯王 マスターデュエル』ユーザー待望の要素が追加も、先攻有利がより顕著になった環境をどう考える?
リリースから8カ月が経過した『遊戯王マスターデュエル』。人気カードゲーム『遊戯王』のデジタル版というだけあって、確かなポテンシャルで今でも人気を博している。そんなマスターデュエルだが、7月から8月にかけて複数のアップデートが行われた。今回は、アップデート内容を振り返りつつ、マスターデュエルの現状と課題を考察していく。
フリーマッチの実装でカジュアル層にアプローチ
まず、8月上旬に行われたアップデートでは、ユーザー待望の『フリーマッチ』が実装された。『遊戯王』は膨大なカードプールや、それをもとにした様々なコンボ・デッキが組めるのが魅力の一つなのだが、マスターデュエルのオンライン対戦には『ランクマッチ』と『デュエルルーム』しか実装されていなかった。前者は強力な環境デッキが中心で、そうでないファンデッキは使用しづらかった。また、後者は友人と対戦する分には適していたが、気軽に誰とでも対戦するには、部屋をたてたり入ったりするのが億劫だった。そのため、兼ねてからランク変動がなく、気軽に対戦できるモードを求める声は存在した。
そんななかで実装された待望の『フリーマッチ』ではあるが、ファンデッキを使う以外にも、ランクマッチに潜るデッキの調整等にも使用できるため、カジュアルデッキ一色になるとは考え辛い。また、ランクマッチやイベントデュエルには報酬があるが、フリーマッチでは得られるものがないことを考えると、環境に合わせたデッキを先ず組み、その後にファンデッキを組むユーザーが大半だろう。そのため、ゲーム内通貨(ジュエル)をファンデッキに回せるユーザーは限られてくるはずだ。それゆえに、フリーマッチでファンデッキ同士の対戦が実現するかや、安定してマッチングできるユーザー数を確保できるかなどは、今後カジュアル層にとっては気になるポイントとなるだろう。
また、8月中旬に行われたアップデートでは、フリーマッチと同様に待ち望まれていたデッキ枠の追加が行われた。こちらはこれまで20個までしか保有できなかったデッキが、最大で25個まで増加するもので、ミッションをクリアするだけで解放できる。増えていくカードプールに対して、デッキ枠が足りなくなる心配がなくなった。
ほかにもデュエル中の演出の簡略化や、デイリーミッションの調整など、痒い所に手が届く変更も行われている。8月に行われたシステム面のアップデートは、どれもユーザーの声をしっかりと反映したもので好印象だ。