『遊戯王 マスターデュエル』ユーザー待望の要素が追加も、先攻有利がより顕著になった環境をどう考える?
デュエリストカップの開催と環境
また、『マスターデュエル』では毎月イベントが行われているが、8月には『デュエリストカップ』が開催された。これまでのイベントは融合召喚限定の『フュージョンフェスティバル』や、同じカードを一枚しか投入できない『リミットワンフェスティバル』のように、普段とは異なるレギュレーションで対戦するものだった。しかし、今回行われた『デュエリストカップ』はランク戦と全く同じレギュレーションでデュエルを行うもので、『マスターデュエル』におけるナンバーワンプレイヤーを競うことを目的としていた。
『デュエリストカップ』は、『1st STAGE』と『2nd STAGE』に分かれており、『1st STAGE』ではデュエルに勝利することで上昇する『デュエリストレベル』をレベル20まであげることが目的となる予選的なラウンド。続く『2nd STAGE』が本戦であり、『1st STAGE』を突破したプレイヤーがポイントを競いあうこととなった。『1st STAGE』でのレベル20昇格は、降格条件が緩く達成しやすくあったが、『2nd STAGE』では、勝敗によってポイントが増減するだけでなく、ポイント上限のない競い合いとなる。イベント終了時には『2nd STAGE』のランキング上位者に報酬が支払われるため、報酬を目指すプレイヤー間ではランクマッチ以上に緊張感のあるデュエルが行われることとなった。
マスターデュエルでは初めてとなる競技性の高いイベントで、ランクマッチでは物足りない、ほかのデュエリストと腕を競いたいと思っていた上級者には嬉しいイベントだ。
『デュエリストカップ』や現在のランクマッチの環境は、7月にリリースされた新パック『ワンダリング・トラベラーズ』で追加された様々なデッキに組み込める『勇者』テーマや、通常召喚を連続して行う『ふわんだりぃず』といったカードによって、5月から続いていた『D-HERO デストロイフェニックスガイ』や『相剣』を中心とした環境が大きく変化した。
追加されたカードの中でも特に環境へ影響を与えたのは『勇者』の中でも『出張パーツ』と呼ばれる5枚のカードだ。これらは、強力な盤面を簡単に作ることができ、手札事故の要因にもなり辛く、さらにほとんどのデッキに投入することのできる非常に強力なカード群で、現在アナログ盤では規制対象になっている。マスターデュエルでリリースされる際も、実装と同時にデッキへの投入枚数に制限が設けられたものの、アナログ盤より緩かったことから環境の中心となっている。
ランクマッチや『デュエリストカップ』では、『勇者』を組み込んだデッキの中でも強力な『天威』デッキが流行しており、そこに同じく『勇者』を組み込んだ『プランキッズ』『幻影騎士団』といったデッキや、『勇者』相手に後攻をとってもほかのデッキに比べて戦える『エルドリッチ』、比較的安価に作ることができ、かつ先攻さえとれれば高い封殺力を持つ『ふわんだりぃず』が流行した。特に『天威』+『勇者』と『電脳堺』+『勇者』デッキは頭一つ抜けたパワーを持っており、シェアも同様に高かった。