メイク×凶悪犯罪のYouTubeが1000万回再生される理由とは? 視聴者のほとんどが女性で“好相性”
米国のYouTuberが意外なテーマを組み合わせた動画で人気を集めている。その組み合わせは「メイク」と「凶悪犯罪」だ。
米ロサンゼルスを拠点に活躍するメイクアップアーティストのベイリー・サリアンは、640万人のチャンネル登録者を持つYouTuberだ。サリアンのチャンネルはメイクと実際に起きた凶悪犯罪を同時に扱う。彼女のYouTubeチャンネル「Murder, Mystery & Make-up(殺人、ミステリー、そしてメイクアップ)」は、彼女の本業をメイクアップアーティストからYouTuberに変え、Netflixや音声配信プラットフォームのAudioboomとの契約をもたらしていた。
サリアンの動画は魅力的ながら、とてもシンプルだ。カメラの前に座り、メイクをしながら実際に起きた凶悪犯罪について話をするだけ。どの動画もリサーチに膨大な時間をかけており、現在は運用をサポートする人を雇っている。
最も人気のある動画は、1978年から1991年の間に17人の男性と少年を殺害した悪名高いアメリカの連続殺人犯ジェフリー・ダーマーに関するもので、サリアンはきらめくグリーンのアイメイクとヌードリップのメイクを顔に施しながら、殺人鬼について話している。
サリアンはプロのメイクアップアーティストとして活動しながら、2013年に美容のチュートリアル動画を公開するYouTubeチャンネルを開設した。2018年、サリアンはある殺人事件が気になってしまった。妊娠中の妻と幼い娘2人を殺害した男が終身刑を言い渡された事件だ。なぜ一見完璧な夫が家族を殺すに至ったのか。彼女は動画内でいつものようにメイクをしながら、その事件の考察を話した。すると、再生回数はみるみる増え、最終的に1000万回再生された。
一見ミスマッチに感じられる殺人事件とメイクだが、実は好相性なのだ。ある調査によると、2020年1月から6月にかけてYouTubeで実録犯罪についてのコンテンツを視聴した人々の60%が女性だった。サリアンの動画を観るのもほとんどが女性で、最も多いのは25歳から35歳、次いで18歳から25歳だ。
サリアンのキャリアは凶悪犯罪を扱うことで、大きく広がった。現在、Audioboomと協力してポッドキャストと動画のシリーズ「Dark History(暗い歴史)」を制作している。さらにはNetflixのYouTubeチャンネルで、彼女がミステリー映画を観て、犯人を突き止める企画が展開されている。
(画像=YouTubeより)
〈Source〉
https://www.bbc.com/news/business-61948546