武藤遊戯、東方仗助の髪型を完全再現した動画が話題 二次元キャラのウィッグを手がける美容師に聞く「一番苦労したキャラ」とは?

まずは自分が楽しむことが大事 

――コスプレイヤーやアニメファンだけでなく、美容師向けの内容にもなっていますが、どの層に向けて動画を制作していますか?

佐藤:僕の動画は視聴者層によってかなり見え方が変わる動画だと思っています。コスプレイヤーさんには「How to動画」に、アニメファンには「二次元が三次元になる面白さ」に。美容師さんには「現実の技術的に再現可能なのか」など様々な視点からたくさんの層の方に見て楽しんでいただけたらと考えています。

 とはいえ、アニメネタを散りばめ過ぎても、カットの技術の話ばかりでも偏った内容になってしまうので、バランスは今でも試行錯誤しながら作っています。

――動画内のネタのバランスはどのように調整していますか?

佐藤:撮影前に動画の構成を考えながら調整するときと、 撮影後編集しながら解説アフレコを録るのですがその際に喋りながら調整するときがあります。何回か撮り直し、録り直しをすることも多いです。

――すべての視聴者を楽しませるための試行錯誤は続きそうですね。

佐藤:試行錯誤はすごく大事なことだと考えているので、一生終わらない気もします。しかし考えすぎても仕方ないこともあるのでそこはトライアンドエラーで。一番は何事も楽しむことなので、視聴者さんに楽しんでいただくことはもちろん、自分自身が楽しみながら続けたいです。

「このキャラと一緒にして」というお客さんも増えた

――数十万回再生越えの動画も多く、YouTubeキッカケに来院される方も多いのでは?

佐藤: YouTubeきっかけのご予約は増えました。「動画見てます!」と言ってくださるお客様も多く嬉しいです。新規のお客様でも、お互いに共通のことが最初からあるので自然とその会話になっていることも多いです。

――「このキャラみたいにカットして」といったオーダーも増えましたか?

佐藤:そうですね。最初にカウンセリングする時、「ほかの美容師さんだと二次元キャラの画像を見せて『これにしたい』というのは恥ずかしいけど、『さとけんさんなら大丈夫かな』と思って」と言われることも増えたと思います。

――二次元キャラのようにするのは大変なのでは?

佐藤: まるまる「このキャラと一緒にしたい(完コピ)」となると日常での再現ができなくなりがちなので、完コピのお客様は少なめです。実際にオーダーで多いのは、例えば、「『SPY FAMILY』のアーニャが好きだから、アーニャの髪色のインナーカラーをしたい」というような、部分的にデザインに取り入れることがほとんどです。

困惑したオーダーとは?

――とは言え、「このキャラと一緒にして!」というオーダーもあったのでは?

佐藤:「『ファイナルファンタジーVII』のクラウドにしてほしい」とオーダーされた際には「セットしないと無理です!」と伝えて、それでもとのことだったのでクラウドにしました。

――ちなみにそのお客さんは金髪でしたか?

佐藤:黒髪でした。

――最後に今後のYouTube活動の展望をお聞かせください。

佐藤:基本的には本業の美容師がメインなので更新頻度はまちまちになりがちですが、プロが本気で楽しみながら作っている様子を、視聴者さんには一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。

関連記事