夜明け近づく「TRPG×VR」の融合 『Xpraize』が示す新たな可能性

 5月31日、『Xpraize』のベータ版がリリースされた。

 水面下で盛り上がるTRPG×VRという新しいジャンル。前例の少ない世界に一歩を踏み出した同タイトルは、分野の旗手となれるだろうか。『Xpraize』の発売を入り口に、TRPGがVRと融合することの可能性を考える。

VRとの融合で新たなTRPG体験を提供する『Xpraize』

 『Xpraize(エックスプライゼ)』は、独立系のディベロッパー・RedefineArtsが開発したテーブルトークRPG(以下、TRPG)だ。

 TRPGとは、レギュレーションが記載されたルールブックに基づき、参加者同士がコミュニケーションをとりながら物語を進めていく、対話型のロールプレイングゲームのこと。プレイヤーは、自身の分身となるキャラクターを設定し、そのキャラクターを演じることで、客観ではなく主観でゲームへと関わっていく。参加者のなかから1人の進行役(ゲームマスター)を選ぶ点も同ジャンルの特徴。シナリオ上の分岐では、ゲームマスターのコントロールのもと、サイコロなどを使い、イベントの着地点や行き先を決定する。

 アナログゲームの一分野に数えられる同ジャンルだが、近年では、そのゲーム性をデジタルで再現したタイトルが増えてきている。今回紹介する『Xpraize』もそのうちのひとつだ。

 同タイトルはVRの活用によって、コンピューターゲームでありながら実際にテーブルを囲んで遊んでいるかのようなTRPG体験を提供。プレイヤーは、デバイスのモーションキャプチャ機能を通じ、ゲーム内のアバターに自身の動きを伝えられるため、(従来のデジタルTRPGでは困難だった)身振り手振りを混じえての参加者とのコミュニケーションが可能となっている。

 RedefineArtsは、こうした新しいデジタルTRPGの形を『e-act』と銘打つ。同社によると『Xpraize』では多彩なカメラアングルにより、シネマティックなリプレイ動画の作成も可能とのこと。参加者はもちろん、配信・動画プラットフォームの視聴者にも楽しめる設計を実現しているという。

 対応プラットフォームはPC(Steam)で、ベータ版の価格は1,520円(税込・※)。正式版は2022年7月1日にリリースされる予定で、こちらの価格は3,000円(税込)となっている。

※ゲームマスターは、VR機能を用いないPC版(無償提供)でゲームに参加する。

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