『オオカミちゃんには騙されない』の“一途な片想い”に心惹かれる 恋が成就したメンバーは? 

 ユナの勇気は最初から月LINEデートを使うという大胆さにも現れていた。デート中も照れながら何とか自分の気持ちを言葉にし、最後にハングル文字で「私はもうあなたを友達だと思いません」と打ち込み、ショーンに翻訳機能で読み取らせる憎い精一杯の演出。しかも、ユナが素晴らしいのはここで終わらないことだ。翻訳機能だけに頼らず、最後に自分の口からも直接「私はそう(友達だと)思ってないよ」と目を見て伝える。これには可愛さはもちろん格好良さ、潔さもあり、こんな真っ直ぐ想いを伝えてくれた相手のことをはぐらかしたり邪険にはできないと相手の本気スイッチを押す絶大なるパワーがあったと思う。本来、積極的にアピールできるタイプではない女子が自分のために何とか必死で想いを伝えようと一歩も二歩も踏み込んできてくれる姿を目の当たりにすれば、相手も一気に心掴まれるものなのだろう。ユナはまさかの大逆転を起こし、中間告白でショーンは彼女からの告白にYESで答えていた。

 男女問わずそうだが、誰しも“特別感”には弱い訳で、自分に初めてのバレンタインチョコをくれ、こちらの気持ちを変に探ったり保険をかけたりするのではなく、ストレートに好意を伝え、その場で回答も同意も求めない。そんな男前で一本気な告白をされたら、これまでの関係性に一気に変化を与えるのだろう。

 ユナを見ていると思い出すのが『虹とオオカミには騙されない』のセイラ(安斉星来)の一途さだ。しゅうぞう(大平修蔵)への片想いを通してどんどん自分の殻を破っていくセイラにはスタジオMC陣も視聴者も虜にさせられていたほど。ユナもそうだが、片想いは人間的にも成長させてくれる。その成長が、これまで恋愛対象として見てくれなかった相手に違った印象を与え、意識させることができているのかもしれない。

 『彼オオカミ』はかつてない程の“片想い”の大渋滞を見せている。ゆなからサスケ(SASUKE)への恋心に、レオを想うマイラ(新井舞良)、さらにはマイラを想うせいな(高橋聖那)に、ユリホ(大峰ユリホ)を想うゆうき(櫻井佑樹)と他にもそこらじゅうに一方通行な矢印が転がっている。これからどんな矢印の変化があり、逆転劇があるのか、その引き金はどんなきっかけなのか見逃さずに堪能したい。

【場面写真】『彼とオオカミちゃんには騙されない』(全9枚)

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