『ウマ娘』なぜGoogle Play Games版リリース? “長期的な成功”見据えた戦略に迫る

 3月16日、『ウマ娘 プリティーダービー』がGoogle Play Games向けに開発中であることが明らかとなった。

 2021年を代表するモバイルゲームとして、あまりにも有名な同作。Google Play Gamesへの対応には、どのような可能性が眠っているのだろうか。同プラットフォームの特徴を踏まえ、その意義を考えていく。

リリース間近と噂される話題の新プラットフォーム・Google Play Gamesとは

Google Play Games Beta

 Google Play Gamesは、Windows PC上で特定のモバイルゲームのプレイを可能にするアプリケーションだ。2021年12月に開催されたイベント『The Game Awards 2021』で存在が明らかとなり、翌1月には、香港、韓国、台湾のマーケットを対象に非公開のβテストがおこなわれていた。同アプリを活用することでユーザーは、本来タップで操作しなければならなかったモバイルゲームを、キーボードとマウスを使って操作できる。ゲームデータはGoogleアカウントを通じてリアルタイムに同期されるため、モバイル端末で中断したゲームプレイをPCで再開することも可能だ。現時点でリリース日は未定だが、そう遠くない時期だと予想されている。『ウマ娘 プリティーダービー』はGoogle Play Gamesへの対応で、3つの環境(Android/iOS、DMM GAMES、Google Play Games)でプレイできるタイトルとなる。

Google Play Games版の開発とリリースに眠る、『ウマ娘 プリティーダービー』の可能性

ゲーム【ウマ娘 プリティーダービー】OP映像

 Google Play Games版の開発とリリースは、『ウマ娘 プリティーダービー』を取り巻く環境にどのような変化をもたらすのだろうか。今後の動向を考える上で重要なポイントとなるのが、同作が話題の新プラットフォームのローンチタイトルとなる意義についてだ。

 『ウマ娘 プリティーダービー』は、2021年2月24日にサービスが開始された。開発発表から約5年、当初のリリース予定日から約3年が経過していたことで懐疑的な視線が注がれるなかでのスタートだったが、フリークたちの予想を上回るクオリティから、あっという間に2021年を代表するタイトルにまで上り詰めた経緯がある。先月末でちょうど1周年を迎えた同作。この1年の勢いを維持したまま、次のステージを迎えられるかはこれからが正念場だ。

 基本プレイ無料・アイテム課金型のビジネスモデルにとっては、プレイヤー数と課金額の維持が、“瞬間風速”以上に重要となる。『ウマ娘 プリティーダービー』もこれまで幾度となく、「古参プレイヤーの脱落」と「新規プレイヤーの獲得」の狭間で試行錯誤してきただろう。スタートダッシュを決めたタイトルほど、この分岐点は多くなるはずであり、ここをどう乗り越えるかが、長期的な視点での成功へとつながっていく面がある。同作がモバイルゲーム市場で覇権を握り続けるためには、絶対に避けて通れない道だ。

 その視点で考えていくと、Google Play Gamesでのローンチタイトル化には、大きな意義を見いだせる。この出来事そのものが、(『ウマ娘 プリティーダービー』が)少なくとも直近のモバイルゲーム界隈を代表する1作と認められた裏付けであり、一連の露出と、そのタイミングにあわせて開催されるであろうキャンペーンによって、「本来脱落していたであろうプレイヤーの延命」「かつて遊んでいたプレイヤーの復帰」「新規プレイヤーの獲得」が同時に叶うことになるからだ。

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