Apex × PUBG的な『SUPER PEOPLE』から考える、バトロワゲーの成功要件
筆者個人としては、バトルロイヤル・シューターが普及する上で重要なのは、撃ち合いのスキルを前提としながらも、状況次第では初心者が上級者に勝つことも可能である、というランダム性が生む公平さにあると考えている。実際、筆者は『Apex Legends』のランクマッチではゴールド帯を抜けることができない程度の腕前なのだが、『Super People』を何度かプレイする中で、何度も序盤の撃ち合いで負けてしまうものの、ある時、ポジションとアビリティとアイテムが上手くハマり、見事に優勝を手にすることができたのだが、これはまさにバトルロイヤル・シューターで無ければ起こり得ない状況だろう。だが、その喜びは格別だ。
特定のキャラクターや特定の武器(特に有料ならなおのこと)、そして公平さから最も遠い存在であるチーターが猛威を振るう環境では、このような楽しさは損なわれてしまう。『Super People』は、そのような状況の中でも、何とか打開策を見出そうとしている作品であり、少なくとも現時点ではある程度、上手く機能しているのではないだろうかと感じている。
とはいえ、『Super People』に問題点がないわけではない。ランダムとはいえ、クラスについては一部クラスにバランスが偏っているように感じられ、この状況とゲーム内通貨によるクラス選択システムが組み合わさると、瞬く間に“Pay to Win”と化してしまう危険性を抱えている。また、ユーザ登録において電話番号登録を必須とするなど、力を入れているとはいえ、人気ゲームの宿命なのか、やはりチーターの報告も相次いでいる。現在はあくまでクローズド・ベータテスト期間中であるため、正式にリリースされた際には、そういった懸念事項がある程度改善されているのを願いたいところだ。少なくとも、本作にはバトルロイヤル・シューターの現況を打開しようとする強い意思と、その可能性が詰まっているのだから。
(※1)https://ir.ea.com/press-releases/press-release-details/2022/Electronic-Arts-Reports-Q3-FY22-Financial-Results/default.aspx