『MOTHER』『FE無双 風花雪月』など発表の『Nintendo Direct』 注目トピックから考えるゲームカルチャーの課題
2月10日、『Nintendo Direct 2022.2.10』が配信された。
任天堂の新作情報を発表する番組として、数ヶ月に一度の周期で放送されている『Nintendo Direct』。今回の配信では、2022年上半期にリリースされるタイトルを中心に、さまざまな注目作の動向が明らかとなった。
本稿では、『Nintendo Direct 2022.2.10』で発表された注目作の情報を入口に、ゲームカルチャーの未来を考えていく。
『FE無双 風花雪月』が6月発売に。『スプラトゥーン3』からは新情報も
2021年9月以来、約5ヶ月ぶりの配信となった『Nintendo Direct』。多くのゲームフリークの注目が集まるなか、番組の冒頭を飾ったのは、『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』だった。
カルチャージャンルや開発・発売元の枠を超えて、さまざまな人気IPとコラボレーションを続けてきた『無双』シリーズ。新たなパートナーとして選ばれた『ファイアーエムブレム 風花雪月』は、2019年7月にNintendo Switchでリリースされた『ファイアーエムブレム』シリーズの最新作である。シミュレーションRPGジャンルの王道として広く知られる同シリーズからは、1990年に初作が発売となって以降、オリジナル作品だけでも15作が発表されてきた。同タイトルの累計販売本数は、全世界300万本超(2020年11月時点)。これは、30年以上続いてきたシリーズの歴史で最多となる数字だ。2017年には『無双』シリーズとのコラボ第1作として、『ファイアーエムブレム無双』もリリースされた。今回発表となった『ファイアーエムブレム無双 風花雪月』は、これに続く無双コラボ第2作ということになる。
『Nintendo Direct 2022.2.10』においては同タイトルのほかにも、『スプラトゥーン3』や『ゼノブレイド3』、『マリオストライカーズ:バトルリーグ』、『星のカービィ ディスカバリー』、『太鼓の達人 ドンダフルフェスティバル』など、多くの注目作の存在・最新情報が明らかとなった。そのすべてが2022年内に発売されるとのこと。今年も話題に事欠かない1年となりそうだ。
『MOTHER』『ライブアライブ』『フロントミッション』……。
2022年も復刻ラッシュは続く。
一方、こうした新規タイトルと並んで注目を集めたのが、往年のゲームカルチャーを彩り、その歴史に名を刻んできた作品たちの復刻だ。『Nintendo Direct 2022.2.10』では、『MOTHER』や『MOTHER2 ギーグの逆襲』、『フロントミッション』、『フロントミッション2』、『クロノクロス』、『ライブアライブ』、『風のクロノア』といった錚々たる名作たちが、復刻タイトルとしてラインアップされた。移植やリマスター、リメイクなど、復活の形はさまざまだが、そのどれもが即時配信、あるいは年内を中心とした遠くない時期に発売されると予告されている。
なかでも『MOTHER』『MOTHER2 ギーグの逆襲』の移植は、話題をさらった。両タイトルは人気RPG『MOTHER』シリーズの初作・第2作で、『MOTHER』が1989年にファミリーコンピュータで、『MOTHER2 ギーグの逆襲』が1994年にスーパーファミコンで発売されている。2003年には、2つを1つのタイトルとしてパッケージ化した『MOTHER1+2』がゲームボーイアドバンスへ移植。その後もバーチャルコンソールにてそれぞれのダウンロード版が配信されるなど、定期的に現行ハードへの復活を遂げてきた。(バーチャルコンソール対応の)Wii U・DSが前世代機となってからは、プレイ環境の用意が困難となり、フリークとの接点を失っていた背景がある。今回の移植は、ファンの願いを実現するものとなった。
移植先となったのは、Nintendo Switchの有料オンラインサービス『Nintendo Switch Online』。『MOTHER』『MOTHER2 ギーグの逆襲』ともに、同サービスの加入者に向け、追加料金なしで、すでに配信が開始されている。SNS上には、番組終了後すぐにダウンロードし、プレイするフリークの存在も見られた。あらためて両タイトル、さらには『MOTHER』シリーズの人気を窺える、ホットなトピックだった。