NFTの転売で1億円以上を強奪 OpenSeaのバグを利用か

 NFTマーケットプレイスのOpenSeaのバグにより、市場価値をはるかに下回る価格でNFTを奪い取り、高額転売される事件が発生した。 

(※)NFT(Non-Fungible Tokens=代替不可能なトークン)とは、ブロックチェーンテクノロジーによって確立されたデジタル資産のこと。

 ブロックチェーン関連の調査企業、Ellipticによると、少なくとも3人のユーザーがプラットフォームのバグを悪用し、100万ドル(1億1300万円)以上の利益を上げているという。そのうちの1人は、「Mutant Ape Yacht Club(MAYC)」のNFTを10600ドル相当(約120万円)で購入し、数時間後に34800ドル相当(約400万円)で販売したようだ。ユーザー名「jpegdegenlove」を利用する人物は、7つのNFTを合計13万3000ドル相当(約1500万円)で購入してすぐ、93万4000ドル相当(約1億600万円)で転売した。このユーザーのページは現在閲覧不可となっている。 

Mutant Ape Yacht ClubのOpenSeaより
Mutant Ape Yacht ClubのOpenSeaより

 不審なアクティビティが確認されたのはここ数日のことだが、バグについては、今年の1月1日時点でユーザーから指摘がなされていたようだ。OpenSeaは現時点で、事件の原因や詳細などについてのコメントは発表していない。 

 ブロックチェーンメディア『Streambed』のCEO、ジェナ・ピルグリム氏は、米メディア『Blockworks』に対し、「ユーザーがNFTを購入したあと、検証なしで転売できる仕様は、現在の中央集権的なNFTの問題を浮き彫りにしている」と語り、「OpenSeaはすばらしいユーザーインターフェースを実現させているが、残念ながらセキュリティを犠牲にしている」と付け加えたという。 

 急成長を見せるNFTマーケットプレイスにおいて、セキュリティの強化が急務のようだ。

(画像=Mutant Ape Yacht ClubのTwitterより)

〈Source〉
https://opensea.io/assets/0x60e4d786628fea6478f785a6d7e704777c86a7c6/2182
https://blockworks.co/attackers-exploit-opensea-loophole-to-snatch-and-resell-rare-nfts/

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