ポケモン新作『Pokémon LEGENDS アルセウス』はなぜ“必見の注目作”といえるのか? 答えは「26年目の勇気ある挑戦」だから

『ポケモンレジェンズ』はなぜ「注目作」といえるのか?

 「ポケットモンスター」シリーズは2021年で25周年を迎えており、もはや大きな歴史を持つゲームといえる。こういったシリーズにとって重要なのは「安定」と「挑戦」だ。

 これまでの「ポケットモンスター」シリーズはかなり安定をとっていた。初代となる『ポケットモンスター 赤・緑』のころからコマンド選択式RPG、いわゆる「ドラゴンクエスト」シリーズのようなわかりやすいRPGで、それはずっと変わっていなかったのである。

 もちろん、時代が進むにつれてドット絵だったグラフィックが3Dになったり、ポケモンの新たな姿が見られるようになったり、遊びやすくなるようにいろいろと変化はしている。ただ、世界中のさまざまなプレイヤーが遊ぶからか、わかりやすさに重点が置かれていたように思う。

 「ポケットモンスター」シリーズのような超巨大IPにもなると、目新しさも大事だが、それ以上に遊びやすさもポイントとなる。そもそもポケモンのキャラクターや世界が好きだという人も非常に多いし、子どもや普段ゲームを遊ばない人すらプレイするため、いわゆるゲームシステム的な進歩は後回しになりやすいのだろう。

 とはいえ、長く続くシリーズは時に「挑戦」もしなければならない。それが2022年1月28日にNintendo Switchで発売される『Pokémon LEGENDS アルセウス』となる。

アクションが追加され、バトルも進化。タブーにすら触れる新たな作品

画像は任天堂公式サイトより
画像は任天堂公式サイトより

 従来の作品と『Pokémon LEGENDS アルセウス』の大きな違いは「広大なフィールドを冒険できる」部分と、「アクション要素が追加されている」部分だ。

 広い世界にさまざまなポケモンが住み着いており、そのまま近づいてモンスターボールを投げて捕獲できる。いままではRPGとしてコマンドを選択してこういう行動をしていたのだが、ふつうに主人公を動かして周囲にいるポケモンと出会うという、極めて自然な形でこういったゲーム体験ができるようになったのだ。

 任天堂の人気シリーズ「ゼルダの伝説」も、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』で従来の形を大きく変え、広大な空間を自由に冒険できるゲームにした。すでに人気があるものを変えるのは非常に勇気のいることだが、それは潜在的にユーザーが望んでいるものであり、うまくいけば強く支持されるようになる。それこそ、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が『テレビゲーム総選挙』で1位を獲得したように。

画像は任天堂公式サイトより
画像は任天堂公式サイトより

 もちろん、手持ちのポケモンを繰り出してバトルもできる。バトルに関しては従来に近いコマンド選択式RPGになっており、遊びやすさも残しているのだろう(ポケモンの行動順や「早業」「力業」といった新要素があるものの、新しすぎないような調整をしているように見える)。

 アクション要素が前面に出るとなると、気になるのが主人公の存在だ。ポケモンは人間を遥かに超える強い力を持っているが、いままでその牙が人間に向けられることは(基本的に)なかった。しかし『Pokémon LEGENDS アルセウス』では、主人公が野生のポケモンに攻撃をされるのが当たり前になっているし、攻撃を受けすぎてやられた場合、目の前が真っ暗になってしまう。

 ポケモンが人間を襲うというのは従来の作品ではちょっとしたタブーでもあった。しかし、今回はその部分にも(ポケモンのイメージを壊さない程度とはいえ)踏み込もうというわけだろう。危険なポケモンを描くというのは、人気IPとしてはなかなか簡単なことではないはずだ。

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