連載「Behind the Tech People」第三回:清水幹太(BASSDRUM)
テクニカルディレクターに向いているのは“コミュ障”? narumin×清水幹太(BASSDRUM)対談
「楽しそうに仕事をしている人たちのほうが圧倒的にいいものを作っている」
narumin:なるほど。そんな清水さんが経営者として会社を運営するにあたり、大事にしていることは?
清水:楽しく仕事できる環境をつくること、です。色々なプロジェクトを経験してきて思うことなのですが、辛そうに仕事をしている人たちよりも、楽しそうに仕事をしている人たちのほうが、圧倒的にいいものを作っているんです。だから、その環境を誰よりも考えてあげて、整えていくことが自分の責任かなと。
narumin:BASSDRUMは今後どういった組織になっていくんですか?
清水:日本は高齢化社会で、エンターテインメントの領域においても、作り手として面白い機会をもらえる機会がだんだんとなくなってくると感じています。国内ではなかなか刺激的でおもしろいサービスやコンテンツをローンチすることができなくなってくると思っていて。たとえば、私はいま、中国語をマスターしようとしています。
narumin:なぜ中国語なのでしょう?
清水:仕事をすすめる上では機械翻訳で何も問題ないのですが、中国には面白いチャンスがたくさんある中で、ああいった、一緒に食卓を囲むことがビジネスに発展していくカルチャーの中だと、酒を飲みながら会話して盛り上がれることが仕事をつくる上で重要だからですね。何をするにしても、外に目を向けなければならない状況であることは間違いなくて。もちろん、日本の中だけでできることもまだまだあるかもしれないのですが、自分のやりたいこと・好きなことをやっていくという視点でみたときに焦りや危機感を覚えていて、そこを回避するためならいくらでも勉強する、という覚悟です。
narumin:清水さんのお話を伺って、職能適正というのは得意だからという理由だけでなく、その職能に課題を感じて解決や改善に試行錯誤してきたという理由が強く反映されるということに気付かされました。今回はありがとうございました。