Oculus Quest 2と合わせて使う おでこに優しい社外品ストラップ
「Oculus Quest 2」を購入する際に、ぜひ導入を検討してほしいのがサードパーティ製のストラップだ。本稿では、Amazonで入手できる2つの製品について紹介したい。
そもそもなぜ「Oculus Quest 2」なのか
旧Facebook社が10月下旬に社名をMeta(正式名称Meta Platforms)に変更したことをきっかけに、「メタバース」というキーワードが一気にスポットライトを浴びた。現状、バズワードとして言葉が先走りしている感も否めないが、いわゆる“ビッグ・ファイブ”の一社が社運をかけて資本を投入する姿勢を見せたことで、市場の動きが活発になったことは事実だ。
「メタバース」を語る視点は多様だが、仮想空間でのアバターを介したコミュニケーションが、世界的な自粛期間も相まってここ1~2年で存在感を増したのは事実だ。バーチャルSNSや、ビジネスシーンを想定したコラボレーションツールは、すでに群雄割拠の状態だ。
そして、VR用の HMD(ヘッドマウントディスプレイ)としてトップシェアを誇るのがMeta社が展開する「Oculus Quest 2(以下・Quest 2)」だ(ブランドの変更に伴いMeta Questとも呼ばれているが、現状公式サイトでの製品名表記は「Oculus」のままのようだ)。同機は、128GBのストレージを搭載して3万7180円~という比較的安価な値段で入手できるにも関わらず、ヘッドセット単体でVRコンテンツを楽しめるスタンドアローンでの利用に加えて、PCと接続して使う「PC VR」にも対応しており、汎用性が高い製品だ。
Quest 2の意外な弱点”締め付け”
人気の製品だが、実際に同製品を使ってみると悩ましい課題に直面する。純正のストラップでゴーグル部を頭にぎゅっと締め付けて固定する構造のため、おでこや頬骨の辺りが圧迫され続けることだ。VR空間に数十分でも潜れば、まるでキツめのハイソックスを履いていた足のように、くっきりとした線が顔の皮膚に残る。
この悩みを解消してくれるのが、サードパーティ製品のストラップだ。本稿では12月上旬の時点でAmazon.co.jpから入手できる製品の中から2つを厳選し、比較してみた。
実は、機能面を見る限り、両者にさほど大きな違いはない。
どちらも前頭部と後頭部を挟むようにしてQuest 2を頭部に固定する構造になっており、ダイヤルを回してストラップのサイズを調整する仕組みも共通だ。特に前頭部のパッドは、筆者の場合前髪の生え際か少し上くらいに当たることになり、ゴーグル部が額や頬骨に強く当たることを予防できる。
さらに、頭頂部を支える仕組みに注目してみると、両機ともにストラップが前後に通せるようになっている。なお、MOMOVRに関しては、頭頂部を支えるための専用パーツも備わっているが、あくまでも補助的な存在だ。
・純正ストラップの交換手順。
両製品を交互に使ってみたところ、どちらを使っても長時間Quest 2を装着する負担が少なくなったと感じた。装着感としては、正直言って2製品にさほど大きな差はないと思う。
当然、いくらストラップを安定させようがQuest 2は重く、装着時のバランスによっては後頭部の毛髪が長時間押しつけられることなどによって頭部の痛みを感じることもあった。頭の形は人によって違うので、使い方に関して、各々で微調整が必要だ。推奨の装着角度等は説明されているが、こだわる必要はないと感じた。
いずれの製品も“しっくりくるポジション”さえ見つかれば、かなり使い心地は良い。1時間程度の使用であれば顔に跡が残ることはなく、圧迫感のない状態でVRを楽しめた。なお、パッドの柔らかさや安定感についても、2製品の間に体感的な差はあまりないと感じた。
ちなみに両製品ともに装着したままゴーグル部のみを持ち上げられる。写真はMOMOVRの場合
違いとして気になったのはディテールだ。SHEAWAには角張った部分や、いわゆる「バリ」のようなトゲトゲした手触りを感じる部分もあった。一方、MOMOVRは細部の造りも丁寧。パッケージを見ても、しっかりデザインされている点でMOMOVRの方が洗練されている印象だ。
以上の理由から、今回紹介した2製品についてはどちらを買っても問題ないとは思うが、筆者がどちらか1つを選ぶとしたらMOMOVRだ。価格もわずかに安い。人によってデザインの好みは違うと思うので、どちらが優れているということは断言しづらいものの、検討時の参考になれば幸いである。
Quest 2の購入を検討する場合には、純正のEliteストラップ(6820円)の購入が当然候補に挙がると思うが、想定用途によっては今回紹介したような、サードパーティ製品もぜひ検討してほしい。