オーディオライターが選ぶ、2021年ベストバイ「完全ワイヤレスイヤホン」とは
昨年来のコロナ禍から、徐々に日常を取り戻しつつある2021年。音楽リスニングのシーンで最も活躍したデバイスは、完全ワイヤレスイヤホンだった。
国内外の数多くのメーカーから製品が登場した完全ワイヤレスイヤホン。2021年では、周囲の騒音を低減するノイズキャンセリングや、ハイレゾやロスレス音声の伝送が可能な高音質コーデックの普及、ビデオ会議などで活躍するマイクの高音質化、低遅延のゲームモード対応など、様々な機能の進化が話題を集めた。
そんな完全ワイヤレスイヤホンの2021年のベストバイはどんな製品なのか。専門家である筆者の視点からお伝えしていきたい。
ソニー『WF-1000XM4』
2021年を代表する完全ワイヤレスイヤホンを1台選ぶなら、ソニー『WF-1000XM4』だろう。自社開発の統合プロセッサー“V1”による業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現。完全ワイヤレスでは96kHz/24bitのハイレゾ音質を伝送可能な高音質コーデック“LDACコーデック”に業界で初めて対応し、Androidスマホとの組み合わせでは音質を劇的に向上させた。また、Amazon Musicの音楽配信で採用されているソニーの3Dオーディオ技術「360 Reality Audio」対応で個人最適化も可能。3万円クラスの予算を用意できるなら、まさに全方位で2021年のベストバイだ。
Technics『EAH-AZ60』
ハイエンドの完全ワイヤレスイヤホンで『WF-1000XM4』と双璧をなす高音質モデルがテクニクス『EAH-AZ60』。テクニクス独自の“デュアルハイブリッドノイズキャンセリング”による優秀な騒音低減性能。そして96kHz/24bitのハイレゾ音質を伝送可能な“LDACコーデック”への対応と、トレンド最先端の技術を集結。通話マイクには、合計8つのマイクと独自アルゴリズムの解析によって、発話者の声とそれ以外を区別する通話音声処理技術「JustMyVoice」を採用。イヤホンによる通話性能をアップデートした。高音質、ノイズキャンセリング、そして通話性能重視のベストバイだ。
Apple『AirPods(第3世代)』
完全ワイヤレスイヤホン業界を代表する製品としてApple『AirPods(第3世代)』を外す事はできないだろう。第1世代のAirPodsに近いオープン型の形状で一見すると機能進化もないように見えるが、ユーザーの耳に合わせて音楽を調節する“アダプティブイコライゼーション”で開放型ながらパワフルなサウンドを再生。AppleがApple MusicやAppleTV+などで推進する“空間オーディオ”にも対応し、高音質とエンタメ体験をパワーアップ。1回の充電で6時間再生とバッテリー性能も強化された。iPhone、iPad、MacなどApple製品のエコシステムを活かす機能性に優れた『AirPods(第3世代)』をベストバイに挙げたい。