“ゲームの習い事”は逆風を跳ね返せるか? 東佑丞のForbes『世界を変える30歳未満』選出から考える
ゲームカルチャーをリードしてきた国・日本の矜持を示すとき
実はゲームトレーナーという職業は、海外では比較的浸透している。アメリカ・ロサンゼルスに本社を置き、ゲームのコーチング事業を展開するProGuidesは2020年1月、500万ドルの資金調達をおこなった。同社は当時すでに300人のゲームトレーナーを抱え、20,000以上の有料セッションをホストしていたという。
また、おなじくゲームのコーチング事業を展開するアメリカのスタートアップ・Gamer Senseiは、2016年6月の時点で、総額230万ドルの資金を調達していた。この2つの事例からは、日本のコーチング市場がいかに未成熟であるかを見て取れる。
同市場は、今後予測されるeスポーツ市場の規模拡大にともなって、大きく成長していくはずだ。『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN』での東佑丞の受賞には、やがて訪れるであろう未来への示唆も込められているに違いない。そのような時代に、任天堂やソニーを生んだ日本が、根拠の薄い懸念で後塵を拝していいものだろうか。紹介したマーケットリーダー・Gamer Senseiの社名には、ゲームカルチャーにおける日本へのリスペクトが込められているように感じた。
東佑丞は中学時代、不登校だったという。コンピュータゲームやeスポーツには、リアルで生まれたコミュニケーションの問題をクリアできる可能性もあるのだ。
2022年以降、一般化すると見込まれるゲームトレーナーという職業。過剰な逆風が国内eスポーツ市場発展の足かせとならないことを願いたい。
(画像=PR TIMES内『ゲムトレ』プレスリリースより)