“ゲームの習い事”は逆風を跳ね返せるか? 東佑丞のForbes『世界を変える30歳未満』選出から考える

“ゲームの習い事”は逆風を跳ね返せるか?

 10月22日、Forbes JAPANが「日本発・世界を変える30歳未満の30人」として、『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021』を発表した。

 今年で4度目となる同賞には、各界から気鋭の若手がラインアップ。そのなかには、ゲーマー/ゲームトレーナーとして活躍する東佑丞(あずまゆうすけ)の名もあった。

 国内ではまだ、市民権を獲得しているとは言い難いゲームトレーナーという職種。「ゲームの習い事」という概念は、日本でもトレンドとなるだろうか。2022年以降、一般化が予測される職業・ゲームトレーナーと、その周辺を考える。

『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN』とは

 『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN』は、「世界を変える30歳未満の日本人(もしくは、日本を拠点に活躍している人物)」を選出する、Forbes JAPAN主催の賞だ。2018年に創設され、今年で4回目となる。ビジネスやアート、教育、科学、料理、スポーツ、エンターテインメントなど、幅広い分野から次代を担う若手をピックアップする点が特徴で、過去には、ボクサーの井上尚弥(2018年)や、俳優の新田真剣佑(2018年)、サッカー選手の久保建英(2019年)、バスケットボール選手の八村塁(2019年)、棋士の藤井聡太(2019年)、YouTuberのはじめしゃちょー(2020年)などが受賞した。これから数年先の日本、さらには世界の動きをマクロな視点でうらなうための、ひとつの指標となる賞だ。

 『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN 2021』では、俳優の忽那汐里や、パフォーマーの白濱亜嵐、競泳選手の大橋悠依、プロ野球選手の大谷翔平、プロゴルファーの松山英樹などが選出された。これらの錚々たる面々のなかに並んでいたのが、ゲーマー/ゲームトレーナーの東佑丞である。

 東佑丞は、山形県生まれの17歳(2021年11月3日時点)。N高等学校に在学中の高校3年生だ。彼がゲーマー/ゲームトレーナーとして一歩を踏み出すきっかけとなったのが、第1回高校生eスポーツ大会の『STAGE:0』。同大会のフォートナイト部門で6位に入賞した彼は、eスポーツプレイヤーとしての勲章を手にし、現在はゲームのオンライン家庭教師サービス『ゲムトレ』にトレーナーとして所属している。

 ゲームカルチャーに精通していない人にとって、東佑丞の職業は見慣れないものだったに違いない。彼が『Forbes JAPAN 30 UNDER 30 JAPAN』へと選出されたことで、国内のコンピュータゲーム・eスポーツを取り巻く環境は変化のときを迎えるか。動向に注目が集まっている。

日本に吹き荒れるゲームカルチャーへの逆風

 日本でコンピュータゲームやeスポーツと言えば、「ネガティブなイメージの先行しているジャンル」という印象がある。「紛れもなく“ただの遊び”であり、子どもの学習を阻害するもの」「プレイすることで、マナー・モラルが悪化し、過激な言動・行動も増える」「運動をともなわないアクティビティを“スポーツ”とは呼ばない」といった声は、同分野に集まる悪評の一例だ。2020年3月には、18歳未満のコンピュータゲームの利用時間を制限する“目安”を盛り込んだ「ネット・ゲーム依存症対策条例」が、香川県で可決・成立した。同条例を巡る動きのなかで見えてきたゲームカルチャーに対する向かい風は、みなさんの記憶にも新しいのではないだろうか。

 もちろん、ここに挙がっている意見については、根拠の有無はあれど、すべてを否定はできないのかもしれない。実際にコンピュータゲームをプレイしていると、“リアルではないこと”に起因するであろう諍い・暴言に出くわすことがあるし、時間を忘れて没頭してしまったり、運動不足を感じたりするケースもある。

 しかし、これらの問題は、一般的なスポーツや、学習、アナログゲーム、SNSなどでも同様に起こり得るものではないだろうか。私は、コンピュータゲームやeスポーツの分野にだけ、過剰な逆風が吹いているような気がしてならない。



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