往年の名作ゲームを楽しく魅せる、ホロライブ・戌神ころねの“唯一性”
YouTubeの累計登録者数が5,000万人を越える人気バーチャルタレント事務所・ホロライブプロダクション。その女性アイドルグループ「ホロライブ」のメンバーを紹介するコラムは第6回目。今回はホロライブゲーマーズのひとり、戌神ころねの魅力をご紹介したい。
「ホロライブゲーマーズ」は、白上フブキ、大神ミオ、猫又おかゆ、戌神ころねの4人組。1期生としてデビューした白上フブキの友人・大神ミオが、彼女の後を追ってホロライブに加入した際に2人のユニットとして結成され、その後、猫又おかゆと戌神ころねを加えた4人組になった。「ゲーマーズ」と聞くとeスポーツ的にプレイスキルを磨くイメージを持つかもしれないが、彼女たちの魅力は、とにかく楽しそうにゲームをプレイすること。「ゲームの上手さ/難しさ」よりも「ゲームの楽しさ/面白さ」を伝えるグループと言えそうだ。
戌神ころねはその一員として2019年4月にデビュー。「~だでな」「おらよー」「なーほーね(なるほどね)」といった独特の訛りや歩くミーム製造機的な語録/リアクション、頻繁に圧をかけていく/かけられていく彼女とリスナー=ころねすきーとのユーモア溢れるやりとりなどで国内外問わず人気を集め、昨年11月にはVtuber史上4人目(当時のホロライブではGawr Guraに続く2人目)のYouTubeチャンネル登録者数100万人を達成した。
彼女を紹介するうえでまず外せないのは、レトロゲーを含む豊富なゲーム配信の引き出しだろう。ホロライブには様々なゲームの趣味を持ったメンバーがいるが、傾向としては新作や『マインクラフト』を筆頭にした共有サーバーを使ったオンラインゲームをプレイする面々が多い。その中にあって、彼女はスーパーファミコンやメガドライブ、ゲームボーイアドバンス、ゲームキューブなどで発売された往年のレトロゲーや名作をプレイする機会が非常に多く、ホロライブの中では彼女の配信でしか観られないゲーム作品が多く存在する。
また、最近は控えているものの長時間配信の鬼でもあり、『摩訶摩訶』や『ドラゴンズレア』といった鬼畜ゲーの耐久配信も知られている。気づけば24時間を超えてしまった『アサシンクリード シンジケート』配信など、予定になかったものの耐久レベルの長時間になることもあり、笑顔で「これ耐久じゃないよ。まだ寝ないよね?」と告げられたリスナーが「はい……」と言いながら溶鉱炉に消えていく(?)姿は彼女の配信のお馴染みの光景でもある。
案件でもたびたび長時間配信を行なっており、セガの60周年に際しては「『セガガガ』クリアするまで生放送」を敢行。スクウェア・エニックスの『サガ フロンティア リマスター』の案件配信では「レッド編」を担当し、クリアまで一気に18~19時間プレイ。どちらの配信でもYouTubeのアーカイブ上限の12時間を越え、枠を変えて案件配信を続けることになった。時にはあまりの長時間に、配信を観ていた案件先の担当者が力尽き寝てしまうことも。筆者の経験でも、「一旦寝て起きたらまだ配信してる……」ということが何度もある。
とはいえ、彼女の長時間配信の一番のすごさは、配信時間自体ではなく、「どんなに長時間でもずっと楽しそうな雰囲気」にこそある。もともとのゲーム実況の技術が非常に高いため、長時間でもさりげなく起伏をつくり、テンポよく最後までするっと楽しめてしまう。その中で垣間見えるゲーム愛なども含めて、まさにゲーマーズらしい配信を続けるメンバーだ。加入当初はゲーム実況の素人だった2期生の大空スバルも、ゲーム配信で影響を受けたメンバーとして彼女を挙げている。その理由も、ゲームを楽しむ姿勢に惹かれたからだそうだ。