円盤型の個人用「空飛ぶクルマ」を米大学チームが開発

円盤型の個人用空飛ぶクルマを開発

 米ワシントン州立大学(WSU)の研究者チームは、ベンチャー企業のZEVA Aeroと協力し、1人乗りのeVTOL(電動垂直離着陸機≒空飛ぶクルマ)のプロトタイプを制作した。警察や救急などのファーストレスポンダーが、最初に利用できるeVTOLの実現を目指しているという。

ZEVA Aeroより
ZEVA Aeroより

 このプロトタイプの最高速度は時速257km、航続距離は最高80kmとかなりパワフルな仕様だ。離陸すると、ヘリコプターのようにホバリング(空中で停止すること)し水平に進むことで、飛行機のように空気抵抗を低減するという。

 同大学の研究チームは、航空機の推進システムのモデリングとテストを行い、車両の推力と制御を最適化するための空力形状を研究している。研究を主導するマトヴェエフ教授は、「個人用飛行機を制作するにおける最大の課題は、離陸に十分な推力を生成することだったが、モーターや制御システムの改良に、機材の軽量化によって、夢の車両の実現に近づいている」と述べている。

 この車両がいつ実用化されるかについては、スウェンセン教授が「実用化の時期が気になる方も多いと思うが、より効率的で軽量なバッテリーの開発により、想像しているよりも早く登場するだろう」としており、 「誰かが小さなスペースにより多くの電気を蓄える技術を開発したときはいつも、物事の実現を早める大きなゲームチェンジャーになる」と語っている。

 大手からベンチャー企業まで、各社が“空飛ぶクルマ”の開発競争を繰り広げているが、本機は最初の実用機となるのだろうか。

(画像=ワシントン州立大学より)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://news.wsu.edu/news/2021/11/02/researchers-test-electric-personal-flying-machine/
https://interestingengineering.com/a-personal-flying-vehicle-prototype-can-fly-you-at-160-mph

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