エッジの立った「にじさんじ元一期生」における、モイラの“柔和で強い個性”

 月ノ美兎、樋口楓、静凛、える、勇気ちひろ、鈴谷アキとピックアップしてきた本連載。今回も『initial step in NIJISANJI』が近いこともあり、にじさんじ元一期生から、モイラについて書いていく。

 多くのライバーが所属し、様々なコラボ配信や多人数参加配信をしていると、ボケてツッコむといった定番な流れや一人で話を広げてオトす流れだけではなく、くだけた言葉遣いで相手を罵りあい、思わぬ角度からの口撃で笑いを誘うこともよく見られる。

 にじさんじ元一期生同士ともなれば、3年近い付き合いと鍛えられたトーク力も合わさって、側から見れば罵り合いにしか思えないやりとりに発展することがしばしばある。そういった時に、心配になって仲を取り持とうと率先して声をあげる「癒し枠」といえるのがモイラだ。

 2020年9月から勇気ちひろ・鈴谷アキと3人で継続配信している「モイっと!まほすずラジオ121 〜雑談すぺしゃる〜」のなかで、勇気ちひろはこのように元一期生について話している。

「元一期生にまともな奴なんていないんだよ! リスナーも騙されちゃダメだよ。みとみと(月ノ美兎のこと)の配信を見ていて、みんな感覚おかしくなっているんだよ。そこ基準にされたらみんながまともに見えるけど、それぞれおかしいから!」

モイっと!🐶まほすずラジオ🎀#121🐈~雑談すぺしゃる~【にじさんじ/鈴谷アキ・勇気ちひろ・モイラ】

 彼女はどうだろうか。おっとりとしたトーンのしゃべり口とどこか一般人らしい初々しい反応には、3年ほどストリーマーとして活動してきた方とは思えないほどのナチュラルな姿に見えてくる。

 ウケを狙ってボケてみる、大仰しく反応してリスナーを笑わせてみる、そういった狙いをつけた面白さよりも、周りの人からグイグイとイジられて反応することで彼女らしい柔和な表情が見えてくる。押しが強くて口の強さが目立つ元一期生のなかで会話すると、前述のようになだめ役となったり、逆にイジられ役になってしまうことが多い。

 ソロでの配信中では、彼女はコメントとの和気藹々とした会話していく。リスナーの身近な話題に一緒になって喜んだり悲しんだり、逆に「OBSの設定でいつミスをするのかを待っている」などとツッコまれて可愛く拗ねたりすることもある。ゲームプレイに熱が入っていくと少しずつ口数が減ってのめりこんでいくのだが、最低限の声かけをしつつリスナーと一緒に楽しんでいこうとする。

 こうしてみると、どこか抜けているエピソードが多く、それがゆえ茶化され愛されることが多いともいえる。自身の新衣装発表にかこつけて、同時に自身初めてとなるホラーゲーム配信を開始するが、ホラーゲームが苦手すぎてほとんどゲームが進まなくなり、その配信を見ていた元一期生と元二期生が徐々に集合して合計6名のライバーが集まっての応援配信へと変わっていったということもあった。

【ホラー配信?】モイラのピンチに駆けつけるにじさんじメンバー【にじさんじ / 公式切り抜き / VTuber 】

 マンガ・ゲームなどのサブカルに明るく、BLには造詣が深い。配信中に受けと攻めの話を熱心にしはじめてしまったり、枠を設けて「女神だってBLについて語りたい」という配信をし、ウキウキな声で3時間にわたってトークしつづけた。

 2021年10月10日には、774incのハニーストラップに所属する西園寺メアリとのりプロ所属の愛宮みるくを含めた3人で、BLにハマったきっかけや初心者向けの作品をおすすめしあうという慎ましき配信を行なってる。

【 #禁断の薔薇園 】私たちはBLを語りたい。

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