【東海オンエア・コンビ分析】第十五回 としみつ&虫眼鏡 本気でぶつかり合える絆

 そんな見事な連携を見せてくれた虫眼鏡ととしみつだが、以前視聴者の間で不仲説が噂されたことがある。それは2人がその場でしっかりと怒ることができる性格だから。その場の空気が悪くなったとしても「それはおかしいだろ」と声を上げる場面を幾度となく動画でも見受けられた。リーダーのてつやを筆頭に穏やかな平和主義を貫く東海オンエアにいて、その口調の強さは際立って見えるのだろう。

 なかでも、としみつは十字架(プライベートにも支障をきたす重い罰ゲーム)を嫌がる場面では、その感情が全面に顔を出す。かつて虫眼鏡のせいでヘアゴムを8個頭につけて2週間生活することになった動画『【ブチギレ】過酷な罰ゲームのせいで過去最悪の空気に!!!』では、愉快なBGMがないと見ていられないほど怒る姿が映し出さされた。

 「嫌われた……としみつに」と反省の色を見せる虫眼鏡に「本当に嫌い。本当にうざい」と言い切るとしみつ。その険悪なムードにてつやとりょうは思わず逃げ出してしまっていたほど。もちろん、その場の怒りは本物ではあるものの、後日としみつは「キレ過ぎwwwwwwwwwwwwwww」と自らツッコむツイートを披露して視聴者をホッとさせたものだ。もちろん、不仲説は虫眼鏡自身が個人チャンネルのラジオ『虫コロラジオ』にて否定もしている。

 本気で怒るとしみつと、動画のためなら容赦なく悪役も勝ってでる虫眼鏡。そんな2人がいるからこそ東海オンエアの動画がピシッと締まるのだ。年々、重くなっていく十字架も、としみつがあれほど嫌がらなければ、我々視聴者も麻痺していったはずだ。“普通”の感覚と、過酷さの鮮度を保つためにも、としみつの“怒り”は欠かせない。

 しかし、噛み付くからといってとしみつだけが罰ゲームを受けないというアンバランスさを放置しないのも、東海オンエアのすごいところ。そのモヤモヤとした気持ちをもとにメンバーが真正面からぶつかったのが「【ドッキリ】としみつに重すぎる罰ゲームが理不尽に降りかかったらどうなる!?」の動画だ。

【ドッキリ】としみつに重すぎる罰ゲームが理不尽に降りかかったらどうなる!?

 これは企画段階で「としみつが怒った場合誰がどう対処するのか」とかなり慎重になった経緯があったことを、虫眼鏡が『虫コロラジオ』で明かしている。そして静かに「としみつがブチ切れた場合の準備はできていた」とも。案の定手に汗握るヒリヒリする展開から、最後はとしみつの涙という予想外の結果になったものの「撮ってよかった作品だと言える」と話す虫眼鏡。

 それを撮らなかったら変にとしみつに遠慮してしまうことになること。そのほうが丸くおさまるかもしれないけれど、どこかで「どう思ってんの?」という気持ちがメンバーのなかに残ってしまっていたはずであること。そう考えると「としみつの素直な気持ちが聞けてよかったと嘘偽りなく言えますね」と断言する。

 「仲がいい」とは笑顔で許し合うだけではなく、「おかしい」と思うことをしっかり向き合うことができる仲のことをいうのだと、虫眼鏡ととしみつを通じて知ることができる。ときには涙が出るほどぶつかっても、壊れることがなかった6人の仲。その積み重ねが彼らの「死ぬまで、東海オンエア」と言い切る自信につながっているに違いない。

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