【東海オンエア・コンビ分析】第十二回 てつや&しばゆー ヤバさが際立つセンスの持ち主
そもそもてつやとしばゆーは、東海オンエアの中において常に「ヤバい側」のポジションだ。あるときは常識を覆すような料理を披露し、あるときは衛生観念がぶっ飛んだ行動を見せて視聴者を驚かせてきた。しかし、それだけで彼らが「天才」「奇才」と呼ばれるわけではない。
てつやとしばゆーの「ヤバさ」が最も際立つのは、クリエイティブのセンスだ。動画「【正統派卒業】ぶっ飛び編集で誰も理解できない領域に連れていきます【超頑張った】」を観てもらえば、2人の常人離れした発想力と動画編集にかける熱意に驚かされるに違いない。
てつやの編集は素材の旨味を最大限に引き出しながら観るものを惹きつけ続ける面白さをプラスしていく。それに対して、しばゆーの編集はどんな素材であっても圧倒的なオリジナリティに仕上げてくる。その異なるベクトルの「ヤバさ」をお互いに惚れ込み、楽しんでいるのだ。てつやがしばゆーのオリジナリティを爆発させた動画を誰よりも笑い、その笑顔を見てしばゆーも満足する姿がこの動画でも見て取れる。
また、しばゆーがエース名義で手掛ける、東海オンエアの派生ユニット「リサイタルズ」の歌詞にも、その奇才っぷりが十分に発揮される作品だ。「リサイタルズ」の由来でもあるアニメ『ドラえもん』のジャイアン役を務める声優・木村昴をゲストに迎えた新曲「Choiced 漢 Soul feat. 木村昴」では、「She is God=しずか」「Not Better=のび太」などところどころにシャレを聞かせたと思われるフレーズもあり、視聴者がそれに気づいて感嘆の声を上げている。
ここで、動画「元カノとの思い出の物を燃やしたら激ウマ焼きエモ芋になるんじゃね!?」のワンシーンを思い出す。しばゆーの高校の卒業アルバムにてつやから「俺の相方はお前しかいねぇよ とマジレス Dear小柳津(てつやの名字)」というエモーショナルなメッセージが書き記されていた。他の友人たちからはイジられるメッセージが多数見受けられる中で、だ。
てつやの素材を活かす力は、しばゆーという逸材そのものを世の中に発信したと言えるのかもしれない。てつやとしばゆー、どちらか1人だけいても十分にヤバいのに、同じ学校に2人もいたのだ。しかも、そのまま同じ道を歩むと決めたなれば、それはとんでもないYouTuberグループになるのも納得だ。
きっと、これからもそれぞれの期待値を上回る「ヤバさ」を見せつけ合っていくのだろう。その出会ったころから続く遊びに、私たちも参加し続けたい。