虹プロ練習生の杏香も参加 コロナ禍に斬新な企画を次々打ち出すアイドルGive&Giveが見せる“過程”の面白さ

 世界におけるK-POPムーブメントの熱を受け、JYPエンターテインメントとソニーミュージックが日本で立ち上げた『Nizi Project』は、最終的にNiziUという新たなスターを作り出した。

 一方で、彼女たちが生まれる過程には、類稀なるパフォーマンス能力や個性を持ちながら、惜しくも敗れ去った者たちも存在する。同プロジェクトの東京合宿に参加し、注目を集めながらもメンバーには選出されなかった杏香もその一人だ。

 そして、今年の2月、新たな“日本発のグローバルで戦えるアイドル”として、彼女と佳奈、結花の3人によるGive&Giveが結成された。このグループのコンセプトが、また一風変わっていて面白い。

 というのも、メンバーは3人と書いたが、それはあくまで“過程”の話。Give&Giveは最終的に8人編成のグループになることを予定しており、メンバーはGive&Giveのサポーターズクラブである「Glover」会員を増やすことで新たに追加されていく、という仕組みなのだ。会員増加によるステップアップはなにもメンバー増員だけではなく、オリジナル楽曲制作などのクリエイティブにも還元されてきた。Give&Giveは、そんな成長をYouTubeやInstagram、TwitterといったSNSをはじめ、さまざまなオンラインメディアを通して発信していくという、“接触”のないアイドルグループだ。

GIve&Giveのルール「8人の仲間あつめ計画」

 コロナ禍でなかなか有観客でのライブや対面でのイベントが行えない現在だが、そこにアジャストしたかのような、デジタル時代に“過程”を最大限楽しめるように設計されたプロジェクトというわけだ。

 そしてプロフィールだけではなく、楽曲やパフォーマンスを作り上げる過程も面白い。例えば楽曲制作において重要視されているのは“手紙”だ。「応援してくれている方への手紙から作る『レターソング』」を作ることが彼女たちの音楽のコンセプトとなっており、1つ目のミッションとして「アイドルの道を応援してくれたメンバーの『家族』」へ向けた楽曲を作る際には、3人がリモート会議を何度も繰り返しながら作詞に挑戦し、「The beginning of the story」という楽曲が完成した。

【Mission#1-3】作詞に挑戦...精神がズタボロに....

 2曲目の「Going Your Way」についても、「愛0円」という「愛のデジタルレター」を「0円」で販売する企画において、ファンたちとやりとりをする上でメンバーが知った「仕事・生活や子育ての悩み、アイドルを目指している子の悩み」などを踏まえ、メンバーがそれぞれ「何かを頑張っているけど壁に当たっている方、そしてこれから高い壁を登ろうとしている自分たち」に向けて長文の手紙をしたため、それをSHOWが1曲分の歌詞へ凝縮した、強い思いの込められた楽曲だ。現在YouTube上での再生数は50万回を突破し、彼女たちの名前を広く知らしめることとなった。

Give&Give「Going Your Way」Music Video
【Mission#0】愛0円
Give&Give「Going Your Way -Acoustic ver-」 by 杏香

 ほかにも、歌詞だけでなく、AKB48や日向坂46、IZ*ONEなどを手がけるRuuが振り付けを、Da-iCEなどを手がけるShohei OgawaがMV監督を手がけるなど、一線級のクリエイターを起用していることにも注目してほしい。

 ここまで記した以外にも、さまざまなデジタルメディアを使用しながら、双方向にファンとコミュニケーションを取りつつ、楽曲の制作や自分たちの成長へとつなげてきたGive&Give。先日8月22日には、その一つの節目であるオンラインライブ『Half Anniversary Show Case “Surpriiise!”』が開催された。

 ファンがメンバーの名前をコメントすると、画面内の「GIVE Arena」で、ファンのアバターである“ギブギブワラビー”がうちわを振って応援するというインタラクティブな機能も取り入れられ、オンラインライブならではの“一人称視点”でのカメラワークを使いながら、全3曲をパフォーマンス。熱量の高いMCとともに、オンラインライブを締めくくった。

Give&Give Half Anniversary Show Case "Surpriiise!"

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