ニコ生からYouTubeでのタレント大量参入まで 10年超にわたるメイク動画のトレンドを分析してみた

 そして現在、テレビに出ている芸能人がYouTubeに参入していたことで、憧れの存在ともいえる人のメイク事情や、芸能人のヘアメイクを担当する人の技術を手軽に見られる時代になった。

 そんな中、メイク動画のトレンドとなっているのは、等身大で明日からマネできるようなもののように感じる。

【激変】鼻を細く小さく高く見せるメイク術!!

 例えば、2020年5月30日にアップされた柏木由紀の「【激変】鼻を細く小さく高く見せるメイク術!!」は2021年9月現在180万回再生超。「鼻だけ整形すればいいのにって言われることが多くて…」と彼女自身がコンプレックスを抱いていたことを告白し、それをごまかすメイクを披露したことで「芸能人にもコンプレックスがあるんだ」「努力の人だ…」と共感を集めた。

 2021年2月26日に指原莉乃が公開した「【超解説】すっぴんからゴリゴリメイクします」は2021年9月現在で800万回再生越え。こだわりのメイク技術だけでなく、わかりやすい解説と見ている人が共感するメイクの難しさあるあるに共感する人が続出し、女性ファンの獲得に繋がっている。

 また“等身大”を求められるのは芸能人だけでない。昨今のYouTube動画を見ていると、プチプラコスメ縛りや、韓国コスメ縛りといったような、あらゆる層に刺さるメイク動画が多い印象を受ける。

 メイクに正解はない、お金の掛け方は人それぞれ。たくさんの美容系YouTuberが誕生したことで、私たちは自分の価値観に合うコスメ動画を見漁るようになったからだ。

 その傾向が顕著に見られるのが、プチプラコスメとハイブランドコスメの比較動画だ。コスメが好きな層なら自分で試すことはしなくとも「実際、値段でどのくらい違うのか」が気になるのは事実。ファッション分野において「プチプラファッションブランドで●万円分購入した」というような動画を多く見かけることから「外出の機会が減ったのだし、できれば節約したい。でもおしゃれは楽しみたい」といった本音が見え隠れしているように思える。

 さらに、ここ数年で毎日のメイクやコスメだけではなく、スキンケアや美容医療のレポートなどといった内側、根本から良くしていくことにフォーカスを当てた動画も増えているのは“おこもり美容”に徹せれるおうち時間ならではのトレンドだろう。おうち時間が長引くかどうかで、メイク動画のトレンドも変わっていきそうだ。

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