【東海オンエア・コンビ分析】第五回 てつや&としみつ 「放課後」のような感覚を視聴者が共有
東海オンエアに漂う男子ノリの源、てつとしコンビ
バカバカしいことを全力で楽しむということ。もともと同級生とバイト先の先輩後輩だったメンバーから生まれたグループらしく、彼らのなかに漂うのは同じクラスやバイト先にいる男子たちが仲良く遊んでいるのを眺めているあの感覚だ。大人と呼ばれる年齡になり、YouTuberドリームを叶えて生活水準が大きく変化した彼らだが、それでもこの男子ノリの部分が変わらないのが、東海オンエアの最大の魅力と言えるだろう。
そして、その男子ノリが最も発揮されるのが、てつやととしみつのコンビが揃ったタイミングのように感じる。てつやのへんてこ好きは、度々としみつの天然っぷりに笑ってきた記憶の蓄積によるところもあるのではないだろうか。誰かが狙っても出すことのできない言動や笑いのミラクルが、としみつには起こるのだ。
なかでも筆者が個人的に忘れられないのが、2016年にてつとしで行った『全国46道府県!旅行の旅 宮崎県編!』だ。2人が電車に乗り遅れそうだと猛ダッシュするところから始まるこの動画は、まさかのとしみつの急な便意との戦いが最初の山場になってくる。そのハプニングをてつやは咎めるどころか「無念の敗(排)便」だと笑うのだ。てつやの天才的な発想力と超温和な性格が、としみつの尖って見える性格のなかで突然見えてくる天然っぷりを美味しい形で私たちに届けてくれる。
万人ウケを狙って作り込まれたネタよりも、その人そのものの面白さが見えたら勝ちなのだと、てつやは知っているのだろう。だから、今でもそのへんてこネタを愛してやまない。この幼馴染にようにじゃれ合う2人の内輪ウケに引き込まれるように、600万人超のチャンネル登録者数が集まったのかもしれない。
直近の『【衝撃映像多数】自作の乗り物で雪山から早く下りたやつが勝ち選手権!!!』でも、メンバーはシンプルに身体を張った雪山チャレンジを繰り広げる。なかでも、としみつの勇姿はなぜか誇らしい気持ちになるほどだ。また『【知らん】興味ないランキングでもみんなのテンション次第でなんとかなる!?第一回!知るかランキング!!!!!!』でも、としみつワールドが全開だ。
そんな男子ノリを愛でる空気が流れ続けているからこそ、東海オンエアはYouTuberという職業が作られたとしても、その時間は「労働時間」ではなく「放課後」のような感覚なのだろう。動画の準備を「宿題」と言うあたりも、まだまだ青春真っ只中という印象だ。この先も終わることのない、東海オンエアの青春を共有していきたい。