就活生必見。“会社のリアル”を伝える「社員1日密着動画」に注目してみた

 幾度となく緊急事態宣言が発令され、社会に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。就職活動もコロナによって変化したものの一つだろう。対面での面接は難しくなり、オンライン面接が主流に。一度も会社に行かずに内定、という例もあるようだ。面接の前にOB訪問を行うことも難しく、実際の社員の声を聞く機会も大きく減った。

 そんな中で学生はどのように情報収集をしているのか。最初に見るのは企業のHPだろう。多くの企業の採用ページ、社員へのインタビューや新入社員のクロストーク、仕事紹介のページが掲載されていることが多い。しかし、HPだけでは具体的にどんな1日を過ごしているのかイメージしにくい。そこで、近年増えているのが社員の1日密着動画だ。企業の公式YouTubeで公開されており、YouTubeの定番企画「Vlog」のような動画がアップされている。社会人VlogとしてYouTuberがアップしているものは、プライバシーの観点から会社名が明かされていないものが多い。その点、企業がアップしているものは公式で社内の様子も見ることができるため、信頼性が高いだろう。

 まず、取り上げたいのは「ANA」。航空業界はコロナ禍で厳しい境地に立たされており、2021年度入社は新卒採用中止、2022年は新卒採用を縮小。客室乗務員と空港の地上職員の新卒採用を中止している。とはいえ、航空業界は花形職種。ANAはコロナ以前、マイナビと日経が共同で実施した「就職企業人気ランキング」でトップ5の常連だった。しかし、花形であるが故、どんな日常を送っているのかは想像し難い。着目したいのはANAが運営するYouTubeチャンネル「BLUE SKY NEWS」。CA、航空整備士、グランドスタッフ、グランドハンドリングの1日密着がアップされている。


 中でも、CA1日密着では、髪型や制服へのこだわり、社内の様子が明かされている。丁寧な言葉遣いで動画が進行されており、上品さが感じられた。印象的だったのは「コロナ禍でできるサービスが限られていて接点がもてない、ちょっともどかしい状況ではあるんですけれども1つ1つの接点を大切に、その中で私達にできることを最大限行って感じ良く受け答えできるように知識もそうですし、寄り添う気持ちで『本日も乗っていただきありがとうございます』という気持ちを持って乗務したいなと思います」という言葉。CAは華やかなイメージでファッションに注目してしまいがち。しかし、その裏にあるおもてなしの心やプロ意識の高さを感じることが出来た。

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