連載:クリス・ブロードの「ガイドブックに載ってない日本」(第8回)

YouTuberを目指す人に伝えたい「ファンとの付き合い方」 登録者200万人越え、外国人YouTuberの僕が教えられること

YouTuberとしての成功を目指すみなさんへ

 私がフィルムメーカーを目指す一方で、コロナ禍でYouTuberデビューする人も増えてきました。

 新米YouTuberに何かアドバイスをするとしたら、「視聴者のためになるものを作ってください」でしょうか。笑いでも教育でもいいのですが、視聴者に利益を与えることが重要です。もし私が明日YouTubeチャンネルを開設したとして、「昨日吉野家に行きました。美味しかったです。楽しかったです」と話したところで、面白味はないでしょう。私の動画は新しい知識を得られるだけでなく、人と話すネタにもなるようにデザインされています。グランクラスの新幹線の中を見せたり、現実逃避できたり、ジョークを楽しんだりといったように。YouTuberになるなら、番組を通して視聴者に何を得てもらえるかを考えなければなりません。自分の利益より、まず視聴者の利益になるコンテンツを発信すると言うことが最も重要なのです。

 自分では気がつかなくても、誰もが長所や得意なことを持っていて、それぞれの方法で、人にメッセージを伝えることができます。なので、YouTubeを始めるなら、自分の得意分野は何か、何に興味あるのかを追求することが重要です。私は日本で英語教師をしていたので、その経験を視聴者に伝えようと思いました。自分が経験したことや自分が得意としていることを主軸にすることが成功の鍵だと思います。

 私は自分の持ち味を生かし、これからコンペ用のショートフィルムを作りたいと考えていますし、この文章が出るころには、複数の作品が完成しているかもしれません。YouTubeにあらためて注力して200万人登録を目指しているかもしれないし、Netflixのオファーを受けてビッグバジェットで作品をつくっているかもしれない。YouTuberに決まった道はなく、だからこそ可能性は無限大なのです。

■Chris Broad(クリス・ブロード)
30歳、イギリス出身。YouTubeチャンネル「Abroad in Japan」を運営。登録者数250万人。日本を拠点に活動するトップ外国人YouTubeクリエーターとして200以上の動画を制作。東北地方太平洋沖地震に関するドキュメンタリーや、L’Arc-en-Cielのボーカルとして世界中にファンを持つHYDEのソロ活動密着動画など動画のジャンルは多岐にわたり、訪日インバウンド集客から実行まで行うTokyo Creativeと共に、日本各地の自治体や企業向けのコンテンツも制作している。2012年にALTとしてJETプログラムに参加し、英語教師として2,000時間以上を費やした後にフルタイムの動画クリエーターへ。夢はプロのフィルムメーカーになり、チョコレートでできた家を建てること。

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