「3DCG業界全体の働き方を改善するために」 Cygamesが“原則リモート”の子会社を立ち上げた理由とは

業界全体の働き方の改善に向けて

――これはゲーム業界全体の話になりますが、ここ数年はそれなりの改善が進んでいるのだと思いますが、過酷な労働環境のせいで、ゲームが好きでこの道に来たのに、くじけてしまう方も多くいたのだと思います。そういう人を少しでも減らしたいという想いもあるのでしょうか。

伊藤:もちろんあります。私は別の会社からCygamesに移ってきたのですが、これまでのキャリアの中で、正直そういう働き方をしていた部分もあり、なんとかしないといけないと思っていました。せっかく会社の代表という立場になりましたから、業界全体を良い方向に改善できるようにしていきたいと考えています。

――実際、徹夜でゲーム作っていたら、ゲームで遊ぶ時間もないわけですもんね。ゲーム業界の人間なのに、ゲームをプレイできないという状況になってしまっていたと。

伊藤:そうですね。業界全体的にハードワークもあったと思いますが、特に働き方改革が叫ばれ始めたころから、厳重に労働時間を順守するようになっています。

――それで開発スケジュールが遅延するような事態にはなっていないのでしょうか。

伊藤:はい。突発的なトラブルを解決しなければいけないときに、一時的に高負荷がかかる時はありますが、それ以外は元々のスケジュールできちんとコントロールされています。

――ちなみに、貴社の福利厚生はどのようになるでしょうか。オフィスベースの企業とはやはり変わってきますか。

伊藤:正直、どのようにするのがいいのか悩んでいるところはあります。それぞれが別々の場所で働いているので、誰かにとっては恩恵が受けられるけど、別の誰かにとっては意味がないとなるのは避けたいですから。簡単なところだと、2カ月に一度はみなさん映画を観てきていいですよとか、そういうことはやっていきたいですね。この業界にいる以上、エンタメ関連にはアンテナを張っていてほしいですし、特に映画は参考になることが多いので観てほしいですね。

今後の展開

――今後、どの程度の規模まで会社を拡大していくのでしょうか。

伊藤:具体的にはまず80名前後を目標にしています。そのくらいの規模のCG会社は多いですが、内部の仕事も外部の仕事もできて、動かしやすい人数なんです。80名ほどの人員を持てれば、人が人を呼んでくるという状況を作れますので、まずはそこからですね。長期的には200名くらいまで伸ばしたいです。

そういう意味でも初動の今、優秀な方を揃えていきたいと思っています。上がぶれてしまうと、下も不安になりますから。すでに入社していただくことが決まっている方は優秀な方々ばかりで、業界トップクラスの人材と言っていいと思います。

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