乃木坂46“3期生の絆”とは 4年間の思い詰まった 『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』への期待

乃木坂46“3期生の絆”とは

 今年2月22日にデビュー9周年を迎えた乃木坂46が、毎年同時期に開催してきたスペシャルライブ『BIRTHDAY LIVE』。新型コロナウイルスの感染拡大という現在の社会情勢を鑑みて、2月23日から5月にかけて初のオンライン開催という形になった。また、スケジュールも昨年までの連日開催という形を避け、2月23日にメンバー全員が一堂に会した全体ライブ、3月28、29日にそれぞれ2期生ライブ、1期生ライブを実施するというコロナ禍ならではの試みが用意された。

 その『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』を締め括る2公演が5月8、9日に4期生ライブ、3期生ライブという形で開催。乃木坂46の未来を作り上げていくことになる3、4期生が各公演でどのようなステージを見せるのか、特に1、2期生がそれぞれ圧巻のパフォーマンスを繰り広げたあとだけに、その内容に注目が集まるのは必然だろう。

 今回の2公演に先駆けて、「ABEMA」では5月7日22時より『乃木坂46期別ライブ事前特番「3期生の12問」』と題した特別番組を放送。3期生全員が出演し、各メンバーにまつわる「最高の1問」を出題して他のメンバーの全員正解を目指すという、“3期生の絆”を確かめる内容となっている。

 本稿ではこの特番に関連し、『9th YEAR BIRTHDAY LIVE』最終日を受け持つ3期生にスポットを当て、“3期生の絆”をテーマに来たる3期生ライブに対する期待を綴っていきたい。

 3期生は『9th YEAR BIRTHDAY LIVE ~3期生・4期生ライブ~』特設サイトにもあるように、「2016年9月、乃木坂46単独でのオーディションとしては過去最多の応募総数48,986名から12名が合格」、「現役メンバーとしては表題曲センター経験者(3名)、選抜メンバー経験者(9名)といずれも各期別では最多」という、現在および未来の乃木坂46を率先して牽引していく存在だと言える。特に今年1月にリリースされた26thシングル『僕は僕を好きになる』では、表題曲のセンターを山下美月が務めたほか、アンダー曲「口ほどにもないKISS」では阪口珠美、カップリング曲「明日がある理由」では岩本蓮加がそれぞれ初センターに就任し、乃木坂46が次のフェーズに向けて動き始めたことが伝わるフォーメーションに対して大きな反響があったばかりだ。

 3期生はグループ加入当初、それまでの1期生、2期生にはなかった特別な形で活動を行なってきた。それは、乃木坂46本体にすぐ合流するのではなく、しばらくの期間を3期生の12人のみで単独行動したことに顕著で、2016年12月には日本武道館で3期生お見立て会を開催。さらに翌2017年2月には、先輩メンバーが経験してきたオーディション形式の舞台『16人のプリンシパル』の最新版『3人のプリンシパル』を11日間で15公演行い、さらには同年5月に3期生単独ライブを6日間・8公演にわたり実現させている。

 また、3期生はグループ楽曲に参加する以前に、3期生単独楽曲『三番目の風』(2017年3月発売の17thシングル『インフルエンサー』収録)にてデビューを飾っており、それ以前の活動を考えると非常に異例のケースだった。グループのオリジネーターである1期生を除き、こうした期別単独活動は3期生が初めてのことで、この経験の積み重ねが2017年8月発売の18thシングル『逃げ水』での3期生ダブルセンター(大園桃子&与田祐希)抜擢へとつながっていく。

 道なき道を切り開き続けてきた1期生、その1期生を全力でサポートする中で個人や期としてのアイデンティティを確立させた2期生とも異なる、ある種独立した存在にすら見えた3期生は、最初こそ「私たちは乃木坂46と名乗っていいのだろうか?」と葛藤したこともあったという。しかし、まもなく在籍5周年に到達しようとする今、グループにおける欠かせない存在になっていることは紛れもない事実であり、後輩メンバーの4期生にとってもっとも身近にいる“目指すべきも存在”でもある。

 そんな3期生が現時点において、誰ひとり卒業していないことも興味深い。この約5年の間には、久保史緒里や山下美月、大園桃子がグループ活動を休止するピンチにも見舞われたが、最終的には3人ともグループに復帰し、現在も第一線で活躍している。なぜ彼女たちは乃木坂46を“諦め”なかったのだろう。実は、これこそが先の特別番組のテーマでもある“3期生の絆”につながると、筆者は考えている。

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