『今日好き 赤い糸編』第4話ーー最終回目前に“ほぼ失恋”状態も……りょうたの連続サプライズにるなの心が揺れ動く

『今日好き 赤い糸編』第4話レビュー


 こうして『赤い糸編』最終日に突入。“追われる側”のメンバーは誰も意中の相手を絞れないまま、女子から男子への“最後のアピールタイム”を迎えることとなった。先陣を切ったのは、るな。りょうたを誘ったところ、彼はすべてのグループ行動でるなと離れ離れになってしまったことを後悔しているようだ。むしろ、それでここまで彼女の想いを引き寄せている実力の方が恐ろしいのだが。

 そんなりょうたの恋愛スタイルは、攻めあるのみ。改めて「いちばん好き」という決心をまっすぐに伝える。するとここで、「これ最後にあげます」と一言。この旅では、スタジオから“準備のりょうた”という異名が飛び出すほど、一貫してサービス精神を爆発させてきたが、そんな彼が最後に用意したのは、一輪の赤い花。見覚えのある人もいるだろう、りょうたがこの旅の出発前、真っ先にるなに渡したものだ。「その時のオレのキモチは変わってないよって意味で、これを持っといてください」と、ロマンチックな形で赤い糸の“伏線”を回収していった。完璧。


 ただ、本稿の冒頭に記した通り、るなを追うりょうたにはあおいの存在が。いくとにも、ありさ(粕谷亜理紗)からの矢印が向いている。この2組でも、ありさはいくとが好きなチョコアイスを用意し、あおいは朝早くからクッキーを手作りするなど、とにかく頑張りが伝わってくる。なかでもあおいは、りょうたから「るなちゃんが告白に来るのを待ってる」と宣言されても気丈に振る舞い続けたほか、場を盛り上げようと事前に仕込んできたワサビ入りクッキーを彼に食べさせる。しかし狙いとは裏腹に何事もなく平らげられた上に、「おいしさが勝ってる」という気の利いた一言さえ返されてしまった。最後の最後まで人柄の良さを見せるりょうたに、あおいの恋心はさらに加速してしまっただろう。


 そして、この旅でのもうひとつの“伏線”を回収したのが、はると×るか。るかはここで、はるとに向けて初日にプレゼントしたアルバムの最後に、1枚の写真を足してほしいと願う。彼女がそっと渡したのは、彼との思い出の2ショットチェキ。そこに書かれていたのは「2つの旅、たのしかったよ。今までありがとう。」という深い感謝の言葉だった。

 「楽しいこともあったし、たくさん辛いこともあったし、色々たぶん、はるとくんもあったと思うけど、前回も今回もすごい楽しかった」と、最後に語るるか。2人が話すのは、おそらくこれが最後だろう。それでも、はるとの「いっぱい辛い想いとか(させたり)、泣かせちゃってごめん」という言葉にも、るかは「出会えてよかったと思ってる」と涙ながらの笑顔で微笑むのだった。

 初日に渡したアルバムが逆に、るかの失恋を一番に代弁する形になってしまったのは悲しいばかり。しかし、その一途な想いは実らずとも、はるとの心に確かに届いたに違いない。どんなに辛い場面でも笑顔を忘れなかったるか。運命の告白後には、誰よりも幸せな表情でいることを強く願うばかりだ。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる