プログラミングできるルンバ? アイロボットの新作『Root』でコーディングが楽しく学べる

無料化が学びのチャンス、「ふっかつのじゅもん」のようにプログラムを配布も

 なにより驚くべきは、このRootを動かすためのアプリ「iRobot Coding」は無償で利用できるところだろう。なんとRootを購入しなくてもいいのだ。ロボットを動かすにはRoot本体が必要だが、画面内でのシミュレーションはアプリやWebサイトから、誰でも利用できるようになっている。

 作成したプログラミングも、英数字を組み合わせたシンプルなパスコードで自在にできる。このパスコードを利用すれば、他のユーザーのRootでも同じプログラミングを走らせることができる。懐かしい言い方をすれば、「ふっかつのじゅもん」のような感覚だ。

 アイロボット・ジャパンではRootのメインターゲットは個人の家庭ではなく、教育機関だと述べているが、たとえば学校の授業でRootの使い方を覚えたら、自宅で「こんな動きはどうだろう?」とプログラムを作ってパスコードをメモ。後日、授業の中でRootを使ってお披露目することもできるだろう。

 アイデアをひらめき、数字やデータを元にシミュレーションし、実証して確認する。

 こうした一連の開発・ものづくりの流れや、論理的な思考をプログラミングロボットを通じて子どものうちから教育カリキュラムとして学べるのは、貴重な体験であり子どもたちの問題解決力を育むための助力となるはずだ。

全国の小学校に合計1000台を無償配布! 個人でも購入可能

(引用:アイロボット・ジャパン)

 アイロボットのプログラミングロボットRootは29,800円で2021年2月19日発売。主に教育機関がターゲットとなるが、個人でもアイロボットストアで購入可能。なお、教育機関やプログラミングスクールは認定代理店から購入できるようだ。

 さらに、「みんなでRoot!プロジェクト」として、1校あたり6台、合計1000台のRootを全国の小学校に無償配布する取り組みも始まっている。応募はアイ・ロボットの専用サイト(https://www.irobot-jp.com/root/)にて、受け付けている。

 プログラミング学習が必修化されてまだ1年。子供も保護者も、ひょっとしたら教育者もプログラミングに対して親しみが薄いのかもしれない。しかし、レベルに合わせてプログラミングでき、ルンバというイメージしやすい到達点があるRootであれば、よちよち歩きの私たちを、うまく導いてくれるのかもしれない。

 未来のロボットエンジニアを育てる教材として、子どもたちの可能性を広げる友として。Rootの活躍が楽しみだ。

■小暮ひさのり
編集プロダクションを経て独立。PC誌・WEB媒体を中心にデジタルアイテムのトレンドを追っているテクニカルライター。特技はお掃除でハウスクリーニングアドバイザーの資格も所有。

トップ画像:アイロボット・ジャパンより

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