自動走行車の試乗、東京を含めた世界の大都市で展開へーーMobileyeの新たな展開に注目

 先日、始まった『CES 2021(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)』。同イベントは、全米民生技術協会によって1967年から毎年開催されているテクノロジーの展示会で、毎年ここでは多くのテクノロジー企業が開発中の最新技術と製品が発表され、大きな注目を集める。

 今年は新型コロナの影響により、オンライン上での開催に。新しいスマートグラスからテレビ、スマホの最新機能など、多くの新技術が発表される中、ここ数年大きく発展している自動車業界における発表が目を引く。2017年にインテルに買収され子会社となったMobileyeは、衝突事故防止技術の分野である先進運転支援システム(ADAS)で有名だが、今回は「自律走行車の大規模展開」に踏み出す動きを表明した。Mobileyeは次の数ヶ月で東京、デトロイト、パリ、上海、(許可次第で)ニューヨークでの試行運転を始めるという。

新しい自動走行システム技術はライダー技術重視?

 この自動走行システムは、新しいLiDARシステム(ターゲットをレーザーで照らし、反射光を分析することによって距離を測定するリモートセンシングテクノロジー)を利用したチップを使用しており、2025年までに大衆市場に展開する計画のようだ。Mobileyeの製品はすでに5400万台を超えるBMW、ボルボ、ゼネラルモーターズなど多くの自動車メーカーによって採用されているが、今回の自律走行システムの特徴は、従来のモービルアイの特徴であるカメラセンサーだけではなく、LiDARとレーダーテクノロジーも自律走行システムへ適用している点だ。複数の機能を一つの半導体チップに搭載するシステム・オン・チップ(SoC)と呼ばれる技術を利用して製造される新しいライダー搭載チップは、大幅なコスト削減を実現させ、より多くの消費者たちにアクセスを可能にする。

なぜ東京が試験運転の展開都市の一つに?

 すでにこの新しい自律走行システムはミュンヘンとイスラエルにて試験運転が実施されているが、今回発表された大規模な試乗は初めてだ。Mobileyeのシニアエンジニア代表・Jack Weastは、今回選ばれた都市の特徴について「顧客であるOEMが局在していることと、規制環境が影響している」と話す。例えば、デトロイトはフォードやGM、東京近辺は日産とトヨタ、パリはプジョーというように、マーケットシェアを焦点に入れた都市展開となっている。

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