米男子高生がコロナワクチン接種促進のゲーム開発 コロナ禍におけるゲーム業界の成長続く

2021年も成長は止まらず

 2020年は、ゲーム市場のデータを見ても特別な年であった。経済メディア『MarketWatch』は昨年12月22日、2020年のゲーム市場を分析した記事を公開した。その記事に引用された調査会社IDCのデータによると、2020年のゲーム市場の売上は昨年比20%増の1,797億ドル(約18兆7,000億円)であった(下のグラフを参照)。1,797億ドルという数字は、2019年の世界の映画市場の売上と2020年の北米スポーツ市場のそれの合計を上回る。2019年は、MCU映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』が興行収入の歴代1位を更新した年である。

 IDCのゲームリサーチディレクターであるLewis Ward氏は、2021年にコロナワクチン接種が広がるものも、同年中には何十億の人々がワクチン接種を受けられずに待つことになるので、ゲーム市場の成長鈍化は2022年からになるだろう、と述べている。

 また、引用したグラフからもわかるようにゲーム市場においてもっとも大きなシェアを占めるのはモバイルである。しかし、2020年に限ってはゲーム機のシェアが大幅に増えた。その理由は、この年にPS5とXbox Series Xという次世代ゲーム機が発売されたからだ。調査会社NPDのデータによると、上記ゲーム機が発売された昨年11月におけるアメリカのゲーム機の売上は前年比58%増の14億ドル(約1,450億円)であった。

 以上のようにコロナ禍で生じたゲーム業界における出来事をまとめると、ゲームは社会的影響力を増したと言える。そして、こうしたゲームの地位向上は今後も続くだろう。

トップ画像出典:Duluth News Tribune「Minnesota teen builds game in honor of COVID-19 vaccine」より画像を引用

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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