コロナ禍で再考される「ディスタンス・アート」としてのゲームと、その“役割”
【特集】コロナ禍で再考される「ディスタンス・アート」としてのゲームと、その“役割”
コロナ禍においては『あつまれ どうぶつの森』や『フォートナイト』などのオンラインゲームが世界的にヒットしたことで、新たなプラットフォームビジネスや社会運動の場としても、その価値が見直されることとなった。また、Zoomを使用した遠隔演劇や体験型ゲームなども在宅で楽しめるエンタメとして盛り上がりを見せている。
この潮流は逆説的に場所の持つ意味や土地の力を再考するきっかけとなるだろう。ある場所が特別な意味を持つためには、その土地がもともと持っていた力とフィクションによって付与された物語の融合によって可能になる。そこではプレイヤーを他の世界に誘うために世界の裂け目を作り、日頃から見てきた事物の見え方を変容させる装置として、物語が重要な役割を果たす。その時に「地図(MAP)」はゲーム内の物語世界において自分の座標を位置づける装置となる。
コロナ禍によってもたらされたディスタンスの時代は、実世界における自身の立ち位置があやふやになる時代である。本特集では、ゲームを「ディスタンス・アート」の一部として位置づけた上で、体験型ゲームやARG(Alternate Reality Game)、ビデオゲームの開発や、ゲームスタディーズの研究に携わる識者たちへのインタビューや座談会を通して、この時代においてゲームがどのような役割を果たしていくのか探っていく。
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