その動画があがってから約3ヶ月。9月には『【ご報告】ようやく手越くんと友達になれました』という動画をアップし、そこからは月に1回以上お互いのチャンネルでコラボする間柄となった。プライベートで親交を深めてきた二人だが、手越にとって新たなフィールドとなるYouTubeで、プラス／マイナスの両面ですでに強いイメージを確立しているヒカルがどうかかわっていくか、慎重な判断があったのかもしれない。

　知名度の高い2人のコラボ動画は黙っていても再生回数は伸びそうだが、そこで手を抜かないのが視聴者を離さない理由のひとつでもある。手越は芸能界で、ヒカルはYouTube界と、互いに別の場所でプロ意識と高い志を磨いてきたことがうかがえる。

　トップYouTuberとはいえ一般視聴者の視点も忘れないヒカルは、伸びる動画やファンの大切さも理解している。手越ファンが喜びそうなデート気分を味わえる画角で撮影したり手越の歌をひたすら横で聞く動画を撮ったりし、コメント欄には「女子目線の需要も理解してくれている」「全曲カットしないで流すとこにヒカルの優しさ感じた」とコメント欄でもファンを沸かせた。手越のチャンネルが伸び悩んだ時期には、「ファンが心置きなく応援できるように、明確な目標を設定すること」「ファンが最も見たい、歌やダンスをしっかりやっていくこと」など、的確なアドバイスを送る場面もあった。

　2人の共通点といえば、負けず嫌いなこと。一見、ゆるいムードで楽しむ企画もあるが、いい動画を撮ってトップに立ちたいという共通の想いがシナジーを生み、視聴者を惹きつける動画が出来あがるのではないか。まだまだコラボをし始めたばかりの2人だが、コロナ収束後には海外ロケの話も挙がっており、より一層動画の幅が広がりそうだ。これからのコラボ動画にもますます期待できそうだ。

■渡邉まりこ
フリーライター。1991年生まれ。営業・美容関連の仕事を経てライターに転身。現在では女性ファッション誌・ライフスタイル・グルメ関連のWebメディア等を中心に執筆。