M1チップ搭載Macシリーズの新たなリリース計画が明らかに Macはサーバ業界でも台頭か?

M1チップ搭載Macシリーズの新たなリリース計画が明らかに

省電力がサーバに最適?

 ビジネス系メディア『VentureBeat』が7日に公開した記事は、M1チップ搭載Macシリーズの台頭は、PC業界だけではなくサーバ業界にも波及すると論じている。既に説明したように、M1チップは高性能を重視した高性能コアと負荷の軽い作業を担当して消費電力を抑える高効率コアから構成されている。この高効率コアだけでも、Intelチップを搭載した前世代のMacBook Airに匹敵するパフォーマンスを発揮する。こうした省電力とパフォーマンスを両立しているM1チップ搭載Macは、サーバとして活用する適性もあると見られている。

 実際、あるクラウドサービス提供企業は、サーバとして4台のMac miniをサーバラックの1段に収めて運用し始めている。さらにクラウドサービス大手であるAmazonは11月30日、同社のクラウドサービスのひとつであるAmazon Elastic ComputeCloud(EC2)がMacOSに対 応すると発表した。クラウドの計算資源をアプリ実行時とサーバ運用時に企業に提供する同サービスは、現時点ではIntelチップ搭載Macがサービス提供対象となるが、2021年にはM1チップ搭載Macにも提供する予定だ。将来的には、M1チップ搭載Macサーバの構築と運用が可能となるかも知れない。

 2022年にリリースされると見られているハーフサイズのMac Proの登場も、サーバ市場にとって脅威となるだろう。新しいMac Proをサーバとして活用した場合、より小さいスペースで現状以上の性能を発揮して運用できるからだ。

 まとめるとM1チップ搭載Macシリーズの台頭は、一般消費者 向けPC市場はもちろんのこと、 法人向 けPC市場、さらにはサーバ市場にも新風を巻き起こす可能性が高い。これらの市場の競合他社は、Appleの動向により一層注意を払うようになるだろう。

トップ画像出典:Apple公式サイトM1チップ公式ページより画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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