『ロックマンX DiVE』に内在する楽しさと、スマホゲームならではの課題

「“Pay to Win”の構造」と「操作性の悪さ」をどう捉えるか

 その一方で、スマホタイトルならではの課題もある。「“Pay to Win”の構造」と「操作性の悪さ」についてだ。

 “Pay to Win”とは、基本無料(一部課金あり)のゲームにおいて、課金したユーザーが大幅に有利になる特性のこと。『ロックマンX DiVE』では、特にPvPの面で一部キャラが別格に強いとされており、それらを持たないプレイヤーはランキング上位にあがることが困難な状況となっている。

 もちろん基本プレイ無料のゲームだからこそ、課金したユーザーにメリットがあって然るべきではあるが、課金によって必ず欲しいキャラが手に入れられるわけではないことも知っておかなければならない。“Pay to Win”の加速は、課金者さえ不幸にしかねない問題なのだ。

 上述の課題のうち、操作性の悪さに関しては、外部コントローラをスマホに接続することで解決が可能だが、“Pay to Win”の構造に関しては、スマホゲーム全体に共通する根深い問題だといえる。この欠点をいかに緩和できるかが、『ロックマンX DiVE』が支持を広げられるかの分岐点となるだろう。

 とはいえ、近年稀に見る当たりタイトルだと噂される『ロックマンX DiVE』。シリーズファン界隈だけの人気でとどめておくには、もったいないタイトルであるのは間違いない。気になる人も、そうでない人も、この機会に一度プレイしてみてはいかがだろうか。今後、スマホ向けアクションタイトルは、『ロックマンX DiVE』を基準に語られていくかもしれない。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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