AirTagがゲームコントローラーに? AirTagとApple製スマートグラス関連の特許が明らかに

AirTagがゲームコントローラーに?

 リリース間近と見られるAppleの忘れ物防止タグ「AirTag」に関する特許が明らかになった。同タグは、忘れ物を知らせるだけのデバイスではないようだ。また、かねてより開発の噂があるApple製スマートグラスの片鱗に触れることができる特許も報じられた。

身体動作をトラッキング?

 Apple専門ニュースメディア『MacRumors』は22日、忘れ物防止タグ「AirTag」に関する特許が発行したことを報じた。報じられた特許によると、同タグの形状は、以前に流出したレンダリング画像と同様な円形をしており、様々な環境で使えるように堅牢な構造設計がなされている。防水・防適性はもちろんのこと、衝撃や落下にも耐えられるように作られる。特許文書には、同タグをキーホルダーにつけて使用した時の模式図も掲載されている(下の画像参照)。

 同タグの検出能力は、3フィート(約90cm)以内のスマホを1フィート(約30cm)以内の精度で位置を特定できるとされている。さらに位置を知らせるだけではなく、他のデバイスの位置を検出して何らかのアクションのトリガーを送信する機能もある。この機能の活用事例としては、建物の入り口に設置しておいて、スマホユーザが入り口に接近するとスマホを検知して、スマホに建物のマップを表示することが考えられている。

 特許文書には、同タグをApple Watchのようにユーザの腕に装着するバンドも図解されている。さらに同タグをユーザの身体に装着することによって、姿勢やジェスチャーを検知できることが明記されている。姿勢の検知はフィットネスアプリに応用でき、ジェスチャーの検知はゲームのコントロールに使われるようだ。ゲームのコントロールに関しては、ディスプレイ内のキャラクターをジェスチャーで操作する模式図で解説されている(下の画像参照)。

 以上の特許文書の内容は、実際にリリースされるAirTagに実装されるとは限らない。しかし、同文書からAppleが同タグに忘れ物の検知以外の機能を実装しようとしている意図を確かめることができる。

Apple製スマートグラスは表情を読み取る

 AirTagの特許が明らかになった少し前の20日、Appleの特許を専門に報道するメディア『Patently Apple』はApple製スマートグラス(Apple Glassと呼ばれることもある)に関する特許を報じた。報じられた特許は、同メガネに多種多様な生体センサーが実装されるというものだ。

 Apple製スマートグラスには、ユーザが操作することを可能とする何らかのUIが実装されると考えられる。特許によって明らかになった生体センサーは、そうしたUIとして使われるものかも知れない。具体的には、同メガネはまばたきする、ウインクする、眉をあげるといった目の周辺の細かな変化を検知し、噛む、笑う、顔をしかめるといった口周辺の変化をも認識できる(下の画像参照)。さらには心拍数、呼吸数、血圧を参考にして心理的状態をモニタリングできることも解説されている。

 興味深いのは、以上のような生体センサーがVRヘッドセットにも実装される、と説明していることだ(下の画像参照)。iPhone 12 ProにLIDARスキャナを実装したようにAppleはARに注力していることはよく知られているが、実のところ、VRにも投資している。例えば、既報のようにVRヘッドセットに関する特許も取得しているのだ。

 今回、明らかになった特許文書には、以上の生体センサーの具体的な応用事例は説明されていない。このセンサーの活用事例をあえて考えてみれば、表情豊かなARアバターを使ったソーシャルアプリがあるかも知れない。スマートグラスを装着したうえでこのアプリを使っているユーザたちは、それぞれをARアバターとして視認できるのだ。このARアバターは、当然ゲームアプリにも応用できるだろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる