『マリオカート ライブ ホームサーキット』、話題のプレイ動画に潜在する“遊びの本質”

『マリカー』新作に潜在する“遊びの本質”

想定外のオブスタクルに驚くプレイヤーたち

 一方、『マリオカート ライブ ホームサーキット』の文化を盛り上げるのは、作者に意図された困難だけではない。想定外のオブスタクル(障害)たちが、界隈に癒やしと笑いを提供している。

 紹介するのは、ラジコンカーにとっては大きな脅威となる“小さな大巨人”の存在だ。一定の知能と意思を持つその存在により、ゲームが進行不可能となる報告が相次いでいる。

 本来であれば歓迎すべきことではないかもしれないが、遊び心重視の同タイトルにおいては、このような“想定外”も好意的に受け入れられ、日常に彩りを添えている。こうしたエピソードもまた、リアルとバーチャルを融合する『マリオカート ライブ ホームサーキット』ならではのものといえるだろう。

 『マリオカート ライブ ホームサーキット』はまだ、発売から1週間が過ぎたところだ。今後さらに私たちの予想を超えるような体験が、同タイトルから生まれてくるに違いない。

 その可能性は、プレイヤーの想像力・創造力によって遊び方が無限大となる点に詰まっている。これはゲームカルチャー黎明期、アナログの遊びが当たり前だった時代に、私たちが公園でしていた体験そのものではないだろうか。

「デジタル時代を経て、遊び心はアナログへと回帰する」

 その分岐点に、私たちはいま立っているのかもしれない。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる