瑛人・YOASOBIら“スマホ発のヒット”続出の理由は? LINE MUSIC×TikTokのキーパーソンに聞く

LINE MUSIC×TikTok鼎談

「今の時代は“スマホ発のヒット”が生まれていると言っていい」(高橋)

――瑛人さんはインディペンデントなアーティストで、もともとコアなファンやSNSのフォロワーが沢山いたというタイプでもないですよね。他のSNSだとインフルエンサーがムーブメントを引っ張っていくということも多いですが、そのあたりはどういう構造なんでしょうか?

佐藤:TikTokの場合は、人と人とのフォロー関係はそこまで強く影響しないんです。アーティストに対するフォローと被フォローの関係よりも、もうちょっと広く、興味や関心に対してのアルゴリズムが働いて、その曲を使った動画がTikTok内で広く拡散されて聴いてもらうようになるんです。

――たとえば、アプリを開くと「この曲を使った動画が流行っている」というようなトレンドがまず表示されるようなアルゴリズムが働いている、ということでしょうか?

佐藤:そうですね。加えて、曲名のところをタップすると、その曲を使った動画が一覧で表示されます。それはミュージシャンのページではなく、あくまでその曲を使って似たような感情表現をした、いろんなタイプの動画が並ぶ。そこに共感する人が多いんじゃないかなと思います。TikTok内で瑛人さん自身のアカウントのフォロワーは2万3千人ほど(9月2日時点)ですが、「香水」という曲は、いわば何千万フォロワーを持つことになる。人ではなく曲がフィーチャーされる、というところがポイントだと思います。

――いろんな人が自分なりのミュージックビデオを作るようなことをしていて、それを一覧で見ることができる。

佐藤:まさにそうですね。TikTokでは最初に動画を作った人のやり方に後の人が影響されるんです。なので、この曲を使って作るならこういう感じ、というのが収斂していく傾向もあります。

高橋:今の時代は「スマホ発のヒット」が生まれていると言っていいと思うんですね。TikTokという15秒のフォーマットによってヒットの形が規定されるというか、それに適した形のエンタメが生まれて、そこでまた新しいユーザーが発掘される。それに最適化された音楽が生まれて、それを好む人が増えていく。新しいエンタメの特徴が生まれているのというのはとても興味深い現象だと思います。

 【後編へ続く】

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