『Tinder』が双方向型ドラマ『SWIPE NIGHT』日本版を公開 開発陣が語る“Z世代への届け方”

 ソーシャル系マッチングアプリの『Tinder』が9月12日よりアプリ内でインタラクティブドラマ『SWIPE NIGHT』を公開する。それに伴い、本国アメリカで開発に携わったポール・ブカタギス(Paul Boukadakis)、カイル・ミラー(Kyle Miller)、ジェニー・マケイブ(Jenny McCabe)が先行お披露目&開発秘話を語るラウンドテーブルを開催した。

 現在190か国、40以上の言語で展開されている『Tinder』だが、元々は幅広い地域から集まったアメリカの大学生が快適な学生生活を送れるようにと作られたものであった。今では様々な人々が、最高の友達、ビジネスパートナー、ライフパートナーと知り合うためのツールとして使い、“出会い系アプリ”の概念を超えたアプリという存在になっている。

 そんな『Tinder』に、この度インタラクティブドラマ『SWIPE NIGHT』が実装される。インタラクティブドラマが通常のドラマと異なるのは、作品の途中で選択肢が出ることで複数の結末を有するという点だ。見る者がどの選択肢を選ぶかによって途中に描かれる内容や、結末が異なってくるのである。同様のインタラクティブドラマとしては、2018年にNetflixで公開された『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』が大ヒットをしており、インタラクティブドラマは現在注目を集めるコンテンツとなっている。Z世代(18〜25歳)を対象に「形にとらわれない新しいつながり」を提供することを目的としている『Tinder』にとって、インタラクティブドラマをマッチングアプリに実装する“新たな試み”は、より深くZ世代にリーチするきっかけとなるだろう。

 今回のトークイベントでは、本国で『SWIPE NIGHT』が実装されるまでの着想からその実現までがたっぷりと語られた。

 はじめの話題は、『SWIPE NIGHT』を開発するにあたってどんなところから着想を得たのか、ということについて。『Tinder』の抱える「デートに行くためにはどうしたらいいか」という問題の解決方法を模索しているうちに、2つの観点から『SWIPE NIGHT』を取り入れるという発想に至ったという。観点の1つは『Tinder』にライブ感を出すこと。そして2つ目が、『Tinder』の中で実際の会話のように自然と会話が始まるということだ。そこでEpic Gamesの人気オンラインゲーム『Fortnite(フォートナイト)』やZ世代の交流の場であるライブ・コンサートなど、実際にZ世代に馴染みのあるものを参考にしながらコンテンツを作り上げた。ラウンドテーブルの場ではほかにも『あつまれ どうぶつの森』を参考にしたという話題もあり、“時間を共有する”ことにフォーカスして掘り下げていたことがわかる。

 また、テーマはZ世代に好まれる「ディストピア」に設定し、「世界の終わりに直面する時にあなたは誰とどこで何をしたいのか」を考えてもらうことをコンセプトにしたコンテンツにした。さらには、この企画を実現させるためのプロダクションチームを結成。Z世代に響くものを作るために、実際にZ世代である24歳のディレクターを起用した。Netflixなどで活躍する脚本家もチームに加え、このコンテンツに最適な人材を揃えることができたという。枝分かれするストーリーや、混沌とした世界を描きたい、という期待に沿う人材が集まったといえるだろう。

 『SWIPE NIGHT』はこうして生まれ、昨年10月にアメリカで一足早く実装された際には、マッチ率26%増、会話が12%増と期待通りの効果が現れたとのこと。さらにアジアに本作品を広げていくにあたっては、動画の内容をより精査し、アメリカでしか伝わらないネタを省いた、全3エピソード版をリリースすることに決定したそう。日本では9月12日から、毎週土曜〜日曜にかけて新しいエピソードが公開される予定だ。