最終回前の“駆け込みツーショット”続々! 『今日好き 夏空編』涙と葛藤の第4話

『今日好き 夏空編』第4話レビュー

 そしてここから、最終日に向けてギリギリでの“駆け込みツーショット”が次々に巻き起こる。まず、梅原麻緒(まお)はふゆみを初めて2人きりに誘い、当初から彼をどうやって振り向かせるかを考えていたと、ここまでコンタクトできなかった理由を明かす。続く星月梨杏(りあん)もふゆみに声をかけ、お互いに話すチャンスを見つけられなかったと、申し訳なさを共有していた。

 そんな人気者のふゆみも、第一印象で気になっていた想いを“清算”するため、すずを呼び出すことに。2日目の夜を迎え、すずの想いはほぼ固まっているにも関わらず、ふゆみ自身が踏ん切りをつけるべく設けられたツーショット。その結果を一言で表すとすれば、彼が最後に放った迷言である「シビア!」がぴったりだろう。

 最後にツーショットをしたのは、ふうたとすずか。彼がここで切り出したのは、「きだいくんのこと、忘れてる? まだ?」という、すずかとは前回の『紫陽花編』でカップル成立とはならなかった小林希大についての質問だった。これに対して、すずかは「ここで、たぶん一回区切り付けないと引きずっちゃうから……もう気持ちに整理つけてる」と、その表情や弱気な声色とは裏腹な返答を示す。それでも、ふうたは「よし!OK!」と、いつもの天真爛漫な表情をようやく取り戻し、最後には「どうしたら好きになってくれますか?」と、あまりにピュアすぎる一言で、すずかの心をぐっと引き寄せていた……かのように見えた。

 ツーショット後、すずかは一人で俯きながら「自分の今の気持ちが、きだいくんの前の気持ちと一緒なのかな」「きだいくんのこと、やっぱめっちゃ好きだったし、その時のきだいくんの気持ちとかが、今はちょっとわかる気がする」「もしかしたら、ふうたくんも悲しい想いをしているかもしれない」と涙ながらに振り返り、ただただ葛藤していた。

 残念ながら、すずかは自分で自分の本心をごまかし、新たな恋を見つけようと無理に納得させようとしていただけのように思う。心のなかで本当に悩んでいたのは、ふうたのことではなく、すずか自身についてだったのだろう。その想いが、ふうたと話す上での言葉と空回りを続け、彼を傷つけるかもしれないと、心のどこかではやはり気づいていたようだ。ふうたとは夕食時、翌朝に朝の海辺を散歩する約束をしていたが、先程のツーショットにて、その約束さえ迷っていると本人に告げていたが……。

 すずかの想いはどんな形で最後に着地するのか。運命の告白を迎える3日目の朝、ふうたの前にすずかが現れること、そして全員が悔いなくこの2泊3日を終えられることを心の底から願うばかりである。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも数少ないシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter:@kota_ichijo

■番組概要
『今日、好きになりました。夏空編』
放送日時:毎週月曜 夜10時~夜11時
放送チャンネル:AbemaSPECIAL
配信はこちら
(C)ABEMA

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