“鉄道系YouTuber”スーツはなぜ人気? コアな内容も持ち前のトークスキルでチャンネル登録50万人

 人気芸能人のチャンネル開設が相次ぎ、今後注目を集めるためには、そのクリエイターならではの専門性が求められると予測されるYouTuber業界。そんななか、いわゆる”鉄道系”という括りで語られるYouTubeジャンルの第一人者として、メインチャンネルのチャンネル登録者が50万人を突破したYouTuberがいる。「スーツ 交通」を運営しているスーツだ。

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 トレードマークのスーツに身を包み、ときには国境を越えて動画を届け続ける彼は、主に鉄道関連の動画を投稿している“鉄道系YouTuber”だ。2012年時点ですでに動画を投稿していたが、2017年に「最長往復切符」シリーズをスタート。日本を鉄道のみで横断する本シリーズは人気となり、同年夏からは第二弾が公開され、現在では彼の代表的な動画となっている。

 “鉄道系”とは言うものの、「スーツ 交通」というチャンネル名の通り、鉄道だけではなく飛行機やフェリーなどの動画も多くある。現在は「スーツ 交通」のほかに、「スーツ 旅行」「スーツ 背広」など複数のチャンネルを展開しており、内容によって細分化されている。多様なジャンルが興隆しているなかで専門ジャンルに特化したことで、「鉄道」といえばスーツの名前が最初に上がるほど知名度は高い。

 マニアックなジャンルにも思える鉄道系YouTuberの彼が注目されている理由はどこにあるのだろうか。

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 彼の動画はカットや必要最低限の字幕のみで構成された、シンプルなものだ。しかも内容は寝台特急サンライズに乗車してみたり、青春18きっぷのみで東京から九州まで普通列車で旅をしたり、時には鉄道ではなく優雅なグレードの夜行バスを利用してみたりと、趣味の世界をじっくり見せるものとなっている。そこだけ考えると、同じ趣味を持ったマニア向けのコアな動画にも思えるが、実際には視聴者を選ばない。それは、彼が鉄道教育が行われている岩倉高校の運輸科を卒業しているため鉄道の知識が豊富で、その路線の歴史や特徴に加えて、周辺情報までわかりやすく説明してくれるからだ。筆者はもともと鉄道の知識は皆無だったが、彼の動画を見ているうちに思いもよらずハマってしまった一人だ。

 そして、このコアなジャンルで50万人というチャンネル登録者数を獲得している最大の理由は、そのユニークなパーソナリティにある。それが、編集を最低限に抑えたシンプルな動画に彩りを与えているのだ。

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