『クラッシュ・バンディクー』なぜいま『4』発売?

『クラッシュ・バンディクー4』が発売決定 前作『5』から16年ぶりのナンバリングが『4』へと戻るワケ

 登場から24年が経ってもなお、ファンに支持され続ける名作アクション『クラッシュ・バンディクー』シリーズから、最新作『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』が発売となる。過去に5作のナンバリングタイトルを発表していながら、あらためて『4』という数字を冠した本作。リメイクと間違われるリスクを負いながらも、このようなネーミングとなった背景にはどんな事情があったのだろうか。

 本記事では、同シリーズの概要や歴史などを踏まえながら、2つ目の第4作が誕生した経緯を推測する。16年ぶりとなる正統続編の名前に、開発元・発売元のメッセージと意欲を感じたような気がした。

『クラッシュ・バンディクー』シリーズとは

海外版の1,2,3を元にしたリメイク作品『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』トレーラー

 『クラッシュ・バンディクー』シリーズは、1996年にPlayStationにて発売されたノーティードッグ開発のタイトル『クラッシュ・バンディクー(クラッシュ1)』を初作とする作品群。同名の主人公を操作し、ステージ上に用意されたさまざまなギミックを乗り越えていく正統派のアクションシリーズだ。

 シリーズが登場した1996年は、PlayStationの発売から2年後であり、NINTENDO64がリリースされた年。アクションといえば、『スーパーマリオ』や『スーパードンキーコング』、『星のカービィ』、『ロックマン』、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』といったシリーズが主流で、PlayStationをルーツとする人気タイトルはまだ生まれていなかった。そのような背景のなか発売された初作は、「縦スクロールアクション」という稀有なゲーム性を武器に大きな支持を獲得。プレステ発・正統派アクションの草分け的タイトルとなった。

 その後、同シリーズからは『クラッシュ・バンディクー2 コルテックスの逆襲!(1997年・PS)』『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周(1998年・PS)』『クラッシュ・バンディクー4 さくれつ!魔神パワー(2001年・PS2)』『クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?(2004年・PS2)』と、5作のナンバリングタイトルが発売されている。このうちノーティードッグが開発を担当したのは『3』まで(スピンオフ作品は除く)。『4』以降は開発元をトラベラーズテイルズ、発売元をコナミやビベンディユニバーサルゲームズ(『3』まではSIEが担当)へと変え、シリーズが続いてきた状況だ。

待望の新作『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』は10月発売

Crash Bandicoot 4: It’s About Time | PS4

 そんな『クラッシュ・バンディクー』シリーズから、最新作『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース(Crash Bandicoot 4: It’s About Time)』が2020年10月2日にリリースされる。ナンバリングタイトルとしては、前作『クラッシュ・バンディクー5 え~っ クラッシュとコルテックスの野望?!?』から16年ぶりとなる待望の続編だ。

 6月22日、シリーズ公式Twitterアカウントから開発・発売が告知されると、世界中のファンがこれに反応。当該ツイートは広く拡散され、公式発表の場となった『Summer Game Fest』のストリームに注目が集まった。日本国内のゲームメディアもこの話題をいち早くピックアップ。同シリーズに集まる支持がいまだ不変であることを再確認させられる、興味深いムーヴメントとなっている。

 その一方で論議を呼んでいるのが、新作のナンバリングについてだ。

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