Facebookが“コメントできない”ニュース機能をリリース

 Facebookは、アメリカで提供しているニュース機能「Facebook News」に、これまでの全国ニュースに加えて、新たにローカルニュースと動画というカテゴリをローンチした。

Facebookでフェイクニュースが流布し、社会問題に

 報道に特化したソーシャルネットワークのセクションであるFacebook Newsは、2019年10月に初めて導入された(参考:https://about.fb.com/news/2019/10/introducing-facebook-news/)。

 『TechCrunch』は「フェイクニュース拡散における、Facebookの果たした役割は小さくない」とし、これまでのニュースに対する取り組みを振り返っている(参考:https://techcrunch.com/2020/06/09/facebook-news-launches-to-all-in-u-s-with-addition-of-local-news-and-video/)。

 Facebookは以前、編集者によるキュレーションを止めた途端に、アルゴリズムがフェイクニュースをピックアップしたため、その機能は2018年6月に廃止された。そして、一般的なニュースを減らし、ニュースフィードで友人や家族の投稿を優先するようになった。

 そして現在、Facebookはニュースに関して新たな取り組みを試みている。Facebookは昨秋の発表以来、ニュース速報、タイムリーなニュースダイジェスト(COVID-19、他)に絞った通知など、Facebook Newsに新機能を続々追加。新しいプロダクトでは、記事の選択をよりパーソナライズするためのアルゴリズムに加えて、ジャーナリストがFacebook Newsのプログラムを組むことに。

 ユーザーは、記事に対してリアクションやシェアはできるが、コメントはできない。なお、見たくない記事やトピック、配信元を非表示にすることも可能だ。しかし、「見聞を広めることを阻害しかねないのは難点だ」と『TechCrunch』は指摘している。

Facebookの報道との連携は、長年にわたり多くの失敗

 『The Verge』は、Facebookの報道に関する取り組みについて、厳しい見方を示している(参考:https://www.theverge.com/2020/6/9/21285656/facebook-news-tab-section-launch-us-local-publishers-partnership)。

  CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、Facebookを“オンライン言論の自由の砦”と考えており、最近のドナルド・トランプ米大統領が行なった“暴力的”な投稿を削除することを拒否したことで、大きな話題となった。

 先の『TechCrunch』による報道でも指摘されていたように、Facebookの広告ビジネスとそのアルゴリズム・ニュースフィードについて、『The Veage』も「伝統的なジャーナリズムの経済的逼迫、ローカルニュースの衰退、市民のニュース・リテラシー低下を招いた」としたうえで、多数のメディアと連携し、ローカルニュースを新たな柱にしようとしていることを報じた。

関連記事