次世代AirPodsはヘルスケア機能搭載? Apple製ヘッドフォンはすでに生産開始か
ワイヤレスイヤフォン市場で無類の強さをほこるApple製イヤフォン「AirPods」の次世代製品に関して、新たな情報がリークした。次世代製品には、既存製品にはない機能が実装されるようだ。Apple製ヘッドフォンに関しても、新情報が明らかになった。
周辺光センサーで脈拍を検出
Apple製品専門ニュースメディア『MacRumors』は25日、次世代AirPodsにヘルスケア機能が実装されると報じた。この報道のソースは、Appleに関係しているサプライヤーの動向に詳しい台湾メディア『DigiTimes』である。DigiTimesによれば、今後1~2年以内にリリースされる予定の次世代AirPodsには、周辺光センサーを活用して脈拍を測定する機能が実装されるようだ。
周辺光センサーとは、パルスオキシメーターと呼ばれる医療機器に搭載された光検出器と同等の機能を有する部品だ。同機器は皮膚に光を照射して血液中の動脈血酸素飽和度を意味するSpO2を測定するものなのだが、脈拍も測定できる。皮膚に照射された光の一部は皮膚をすり抜けるのだが、周辺光センサーはすり抜けた光の量からSpO2と脈拍を算出する。周辺光センサーを活用した脈拍測定のほかに、次世代AirPodsには歩数と総合的な健康状態をモニタリングする機能も実装されるようだ。
MacRumorsの記事は、次世代AirPodsに周辺光センサーが実装されるに伴って、デザイン変更が生じる可能性を指摘している。周辺光センサーは皮膚をすり抜けた光を検知するという構造上、皮膚をはさむようなデザインを採用する必要がある。パルスオキシメーターでは、指をはさんで使うようなデザインが採用されている。周辺光センサーを実装した次世代AirPodsは耳たぶをはさむような構造になるかも知れない。
ワイヤレスイヤフォン市場の最前線はインテリジェント機能
AirPodsが属するワイヤレスイヤフォン市場には、近年になってオーディオ機器メーカーではないテック系企業が進出している。そうしたテック系企業は、オーディオ機能ではない新機能を実装して製品の差別化を図ろうとしている。
例えばGoogleが4月末にアメリカでリリースした「Google Pixel Buds 2」は、リアルタイム翻訳機能を実装している。この機能が実装されているおかげで、海外旅行先のレストランで食事を注文する時に、店員の話をリアルタイムに翻訳して理解することができる。同イヤフォンに関しては、新機能を含むソフトウェアアップデートが近日中にあることをUS版Forbesが5月初めに報じている。この新機能もオーディオ性能を強化するものというよりは、リアルタイム翻訳に類するインテリジェントなものと予想される。
Microsoftが5月12日より発売した「Surface Earbuds」にも、インテリジェント機能が実装されている。具体的には、Word、Outlook、PowerPointに実装された音声ディクテーション(音声を文字に起こす機能)が使えるのだ。それゆえ、同イヤフォンを装着してWordを使うと、話した内容が文字として保存されるのだ(ただし、日本語のディクテーションはプレビュー版となっている)。
競合製品の動向を受けて、次世代AirPodsにヘルスケア機能に加えて何らかのインテリジェント機能が実装される可能性は十分にあるだろう。同イヤフォンがリリースされる今後1~2年先には、Apple Glassのリリースも噂されている。Apple Glassと同イヤフォンのクールな連携は、魅力的なインテリジェント機能の候補として考えられるだろう。