なんとかキララEL×KEVINインタビュー 『モンスト』プロ選手に聞く、新型コロナ禍での活動のカタチ

『モンスト』プロに聞く“コロナショック”

まだまだ成長中の自主開催大会「置き物グランプリ」

ーー眠っていた考えがピースをはめるようにまとまっていったのでしょうか。

キララ:雑な部分を綺麗にしている感じですね(笑)。そもそも、ゲーム界隈には”大会”と”対戦会”という2種類の言葉があって、お互いが分かれていると思います。大会は勝つと名誉が貰えるもので、対戦会は文字通り対戦を目的としている。何だか、将棋のために将棋会館へ行くのと似ていますよね(笑)。『モンスト』に話を戻すと、まず非公式の大会を開く文化が根付いていないです。ちらほらと「大会を開きます!」という様子は見えましたが、僕から見ると全部が“対戦会”でした。つまり、勝って称賛されたり、商品や賞金が貰える“大会”とは違っていて。だったら対戦を目的にするのではなく、きちんと勝ちたくなる大会をデザインしたいと思い、「置き物グランプリ」を企画した次第です。

KEVIN:『モンストスタジアム』の大会を考えるにあたって、今まで環境を整えていなかったんですよね。困っていたところをキララさんが「思いついた!」って(笑)。外出自粛でみんなが家にいるタイミングと被ったので、オンライン大会の自主開催を決めました。

【第7回モンスト置き物グランプリ】不要不急の氷の道化師杯!ルーキーもいるよ【モンストスタジアム】

ーー色々と準備をされたと思いますが、実際に大会を開くうえで大変だと感じた部分はありましたか。

キララ:俺はあんまりないけど、KEVIN君は?

KEVIN:2人にとって大変にならないようには作っています。1週間のうち、土日の2日で準備して開催する。不足だった部分は次回の発展に回したいので。

キララ:KEVIN君も僕も、「置き物グランプリ」を育てるのが楽しいんですよ。まだ拡張性はありますしね。がむしゃらに時間を費やすのもいいですが、風呂敷を広げ過ぎると時間が足りなくなりますし、かえって大変になりかねません。「置き物グランプリ」は沼なんです(笑)。伸びしろを見るに実現させたいこともたくさんあります。

ーー実現させたいものというと?

キララ:勝利者インタビューで選手の声をユーザーに届けたいです。あと、本家の公式大会「モンストグランプリ」は優勝チームを予想する投票システムがありますが、我々もオーブを配る代わりにスポンサーさんからいただいた商品をプレゼントしてみたいですね。オーブではなく新鮮な野菜を送ったりとか(笑)。予想が的中した全員に景品をあげるのは難しいにしても、何か見返りがあると観戦している方々も楽しくなるじゃないですか。XFLAG eSportsは応援したくなる仕組み作りに取り組んでいる。僕らはそれを自分たちのサイズ感で行えるよう頑張るだけなんですよ。

 あと、チーム編成レギュレーションを色々と変えてみるのも面白いのではと思っています。”『モンストスタジアム』の公式大会に出ていない人を必ず1名入れる”とか。ちょっとしたルールを設定するだけで、新規ユーザーの獲得に繋がるわけじゃないですか。そこを調整してどんどん面白くしていけたらなと思います。

KEVIN:観戦に関して言うと、僕ら以外にも実況陣に入ってもらおうかと話していますね。

ーー確かに現状に加えて試合を解説する人がいれば観戦する楽しみも一層高まりそうです。お二人の中で大会の見どころや印象深いシーンはありますか?

キララ:「置き物グランプリ」の対戦カードを決める際にクジを使いますけど、トーナメントの初戦で当たったチームリーダー同士が、『パワフルプロ野球』と『パズル&ドラゴンズ』のプロゲーマーだったんですよ(笑)。配信コメントを見ると「パワプロvsパズドラ」と流れていて、「よく見たらそうじゃん!」と。『モンストスタジアム』で他作品の猛者が争うのを見られるのは、まじでここしかないと思って見ましたね(笑)。

KEVIN:意外な組み合わせもそうですし、決勝まで上がってくるチームはどれも強く、見応えがあって面白いです。

キララ:プロに限った話ではありませんが、過去の公式大会や「東京eスポーツフェスタ」などに参加している有名なチームが「置き物グランプリ」に参加しています。その人たちが大会用にトリオを組んで出場している一方、初心者の方も同じ土俵に立っている。そのなかで時折、初心者が勝つことがあって。プロ相手に勝った時とか、SNSで喜んでいる人をたくさん見かけます。さらにプロチームと戦おうとすれば、普通はプロになってモンスト プロツアーなどの公式大会で戦うか、「モンストグランプリ」の予選でかち合うしかない。大規模なイベントでプロ相手に敗れるのは不幸かもしれませんが、「置き物グランプリ」で勝ったり負けたりという経験を詰めるのは、良いことかなと思います。ジャイアントキリングじゃないですけど、そういったストーリーを持つ試合は全部好きですね。

面白いからこそ、健全なビジネス化を目指したい

ーーお二人はイベント開催やプロ選手として『モンスト』の競技シーンに関わっていくと思いますが、活動方針や展望についてはいかがでしょうか。

キララ:現状のままだと、オフラインイベントに参加できるかどうかも分からないので、選手として公式大会出場に関しては「なるようになる!」としかお答えできないです。「置き物グランプリ」については毎週開いている大会ということもあり、もともとがオフラインに合致するゲームですが、そこをオンラインでも楽しめるようにしたい。大変な状況だけど、「逆に『モンストスタジアム』が盛り上がっているね」と言われるまでやりたいと思います。

KEVIN:公式大会参加はキララさんと同じです。自主開催の大会で言うのなら、今後オンラインからオフラインへ発展しても良いと思っていますし、何なら僕らが開いてもいいんじゃないかと。面白いことができないものか、常々考えていますね(笑)。

キララ:あとは、この大会をきちんとビジネス化したい。現状、「置き物グランプリ」は僕とKEVIN君が「疲れた」と言えば辞めることもできてしまうんですね。これって面白い企画を練る上で不健全だと思います。『モンスト』に限らず、面白いだけで頑張ると体力が疲弊し、いつかは辛くなるかもしれない。赤字だけど開催し続けているイベントって、惜しまれつつもなくなったりするじゃないですか。僕も色々と実例を見てきました。そうならないためにも、スポンサーさんが賞金を出して収益モデルを作る。オフラインの会場でやるなら、僕らがお客さんを呼んで報酬を受け取る。まだ具体化はしていませんが、そういう体制を早めに目指したいですね。

■関連リンク
なんとかキララEL Twitter
KEVIN Twitter
『置物グランプリ』公式ホームページ

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